湯浅の宿場町を出発し、宿場であった河瀬の集落と河瀬(ごのせ)王子を過ぎると「鹿ヶ瀬(ししがせ)峠」にたどり着きます。藤原定家より100年も前に熊野に詣でた藤原宗忠が「その道はなはだ険阻身力すでに尽く」と嘆いた峠道です。さらに大峠を越えて日高町原谷に至る小峠を越えると、全長約503mにも及ぶ熊野古道最長の石畳道が現れます。道沿いには樹齢約300年の巨大なタブノキが5本あり、静寂の中に古道の趣とロマンが感じられます。鹿ヶ瀬峠を越えた旅人は、広大な日高平野の山裾を日高川越えへと向かいます。その道中には、男女の恋物語や美人にまつわる史跡が。僧・安珍(あんちん)と真砂の庄司の女房・清姫の物語で知られる能楽作品「道成寺」の舞台で、道成寺や、髪長姫伝説の海士王子、永遠の美を求める女性や美しい子どもを授かることを祈願する人々の信仰を集める「美人王子」として知られる塩屋王子など、美人にまつわる史跡をめぐることになります。そして、古道は紀伊水道沿いを南へ。塩屋王子からは、海岸線沿いを歩くため、紀州の光輝く雄大な海を満喫することができます。道中、交通量の多い国道42号線を横断する所もあるので、十分ご注意を。
モデルコース
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起点. JR湯浅駅
徒歩で1時間15分
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1. 河瀬王子10分地図
ごのせおうじ
「ツノセ王子」「角瀬川王子」「津の瀬王子」と呼ばれていましたが、江戸時代の村名「河瀬」にちなんで「ごのせ王子」と呼ばれるようになったといいます。明治時代には川瀬王子神社となりますが、明治41年(1908)に津木八幡神社に合祀。跡地に横たわる巨石からは熊野信仰の深さが伝わってくるようです。
- 社寺関係
- 住所
- 有田郡広川町河瀬144
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で10分
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2. 東の馬留王子10分地図
ひがしのうまどめおうじ
名は、先に続く険しい鹿ヶ瀬峠を馬で越えられず馬を留めたことに由来。隣の日高町に同名の王子があるため「東の」という呼称が付いています。明治期に馬留王子神社となり、神社合祀で津木八幡神社に合祀されました。
- 社寺関係
- 住所
- 有田郡広川町河瀬352
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で55分
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3. 鹿ヶ瀬峠(大峠)通過地図
ししがせとうげ(おおとうげ)
熊野古道では長い石畳道が続き、最大の難所とされる鹿ヶ瀬峠。その険しさは、藤原定家が「崔巍(さんかい)の嶮岨(けんそ)」と嘆いたほど。最盛期には茶屋や旅籠もあり、にぎわっていた様子が『紀伊国名所図会』に残っています。
- その他
- 住所
- 有田郡広川町
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で30分
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4. 金魚茶屋跡30分地図
きんぎょちゃやあと
江戸時代にあった茶屋の跡。ユニークな名前の由来は、近くを流れる鹿瀬山の清流を筧で引き、金魚を飼っていたことから。かわいらしい金魚の姿は、険しい峠を越えて茶屋に宿泊する旅人たちを癒やしていたといいます。現在は、駐車スペースに24時間使える多目的トイレが設置されているため、休憩スポットとして利用できます。
- その他
- 住所
- 日高郡日高町原谷900(金魚茶屋駐車場公衆トイレ)
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- P10台
徒歩で15分
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5. 沓掛王子10分地図
くつかけおうじ
後鳥羽上皇に随行した藤原定家の旅行記の『熊野御幸記』によれば、沓掛王子は、鹿ヶ瀬峠を越えて峠道を下りきった王子谷の地にあったといいます。その後、時期は不明ながら、現在の地に移動されたと考えられています。明治10年(1877)、弁財天社とともに原谷皇太神社に合祀されました。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡日高町原谷1778-1
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で6分
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6. 古民家カフェ れん30分地図
こみんかかふぇ れん
明治中期に建てられた数寄屋造りの古民家カフェ。オーナーご夫婦がもてなすアットホームな雰囲気のなか、自家菜園の野菜を使ったもちもち生地のピザ400円とコーヒー250円でほっとひと息。
- 飲食関係
- 住所
- 日高郡日高町原谷782
- 電話番号
- 090-3999-7187
- 営業時間
- 11:00〜16:00
- 定休日
- 月・火曜休
- 駐車場台数
- P5台
徒歩で30分
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7. 黒竹の里ぴかいち10分地図
くろちくのさとぴかいち
熊野古道の史跡が数多く現存する原谷地区は、釣竿や家具の装飾に使われる黒竹の生産高が日本一。黒竹の里ぴかいちでは黒竹を使った花器500〜1000円や、地元で採れるお米、野菜、こんにゃくなどが購入できます。
- お土産処
- 住所
- 日高郡日高町原谷94-1
- 電話番号
- 0738-63-3528
- 営業時間
- 12:00〜16:00(金・土・日曜、祝日のみ営業)
- 定休日
- 月・火・水・木曜休
- 駐車場台数
- P5台
徒歩で80分
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8. 道成寺30分地図
どうじょうじ
大宝元年(701)に創建されたと伝わる紀州最古の寺院。能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎の題材として名高い『安珍・清姫伝説』が伝わる寺としても知られ、縁起堂では安珍と清姫の絵巻物を見せながらの絵解き説法が行われています。宝仏殿では、木造千手観音菩薩など国宝3点、重要文化財6点、県指定文化財5点を展示。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡日高川町鐘巻1738
- 電話番号
- 0738-22-0543
- 営業時間
- 9:00〜17:00(拝観時間外でも境内のお参りは可能)
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 拝観料=600円(入山のみの場合は無料)
- 駐車場台数
- P100台
徒歩で15分
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9. 海士王子10分地図
あまおうじ
かつて、みかん畑にあったとされる海士王子。現在は旧社地の東側に遥拝所が設けられ、小祠と社地の石碑が祀られています。周辺は道成寺創建にかかわった文武天皇夫人宮子の生誕の地。海士王子に祀られていた御神体の木像は、明治時代、八幡神社に合祀された際に道成寺に移され「宮子姫像」として祀られています。
- 社寺関係
- 住所
- 御坊市藤田町吉田
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で15分
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徒歩で40分
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12. 塩屋王子10分地図
しおやおうじ
現在の塩屋王子跡は塩屋王子神社内にあります。塩屋王子は「美人王子」とも呼ばれ、美しい子どもを授かるという伝説もあることから、安産祈願や永遠の美を祈願しに訪れる女性の参拝者が後を絶ちません。天照大神の美人像が祭神であるため美人王子と呼ばれるという説もあります。
- 社寺関係
- 住所
- 御坊市塩屋町北塩屋1146(塩屋王子神社)
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- P8台
徒歩で40分
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13. 清姫の草履塚10分地図
きよひめのぞうりづか
「安珍・清姫伝説」にまつわる松の大木が生えていた場所は、清姫が草履を松に引っかけた場所として、現在「清姫の草履塚」として整備されています。安珍がこの木に袈裟をかけて逃げた、という説もあります。
- その他
- 住所
- 御坊市名田町野島(祓井戸)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で3分
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14. はし長水産直売所60分地図
はしちょうすいさんちょくばいじょ
壁ケ崎海岸にある海産物の直売所。御坊の海で獲れた魚介類や干物が購入できます。干物宮子アジ480円(税抜き)は真空パックでお土産にも最適です。新鮮な魚を使った定食が味わえ、御坊の海が見渡せる展望喫茶室も併設。
- 飲食関係
- 住所
- 御坊市名田町野島2368
- 電話番号
- 0738-29-2468
- 営業時間
- 9:00〜17:00(喫茶コーナーはLO16:00.)
- 定休日
- 水曜休、元旦休
- 駐車場台数
- P20台
徒歩で35分
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15. 上野王子10分地図
うえのおうじ
建仁元年(1201)、後鳥羽上皇の熊野御幸に随行した藤原定家の旅行記『熊野御幸記』にもその名が記されている上野王子。それより約100年前の文献にも上野でお祓いをしたり、昼食をとったとの記述が残っています。現在の王子は、江戸時代初期に仏井戸付近から遷されたと考えられます。
- 社寺関係
- 住所
- 御坊市名田町上野1529-5
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で10分
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16. 清姫の腰掛石10分地図
きよひめのこしかけいし
「安珍・清姫伝説」にまつわる史跡のひとつで、この石に清姫が腰をかけたと伝わり、石に残った窪みは清姫のお尻の形といわれています。この石に腰かけた際に清姫が蛇になり、その後、安珍を焼き殺したのです。
- その他
- 住所
- 御坊市名田町楠井
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で45分
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17. 津井王子10分地図
ついおうじ
津井王子は「叶(かのう)王子」とも呼ばれ、地元での通称は「おかのさん」。『紀伊続風土記』には津井領から印南に遷されたと記され、『和歌山県聖蹟』には現在地から1kmほど離れた王子田が旧社地と記されています。明治41年(1908)、山口八幡神社に合祀。現在は「叶王子神社旧跡」の石碑が残っています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡印南町印南
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- P2台
徒歩で30分
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18. 斑鳩王子10分地図
いかるがおうじ
印南町光川に鎮座し、近世は「富王子」とも呼ばれた斑鳩王子で、平安時代には塩屋、切目、岩代の各王子とともに栄えました。藤原宗忠の日記『中右記』にも、天仁2年(1109)の記述に「次に伊南の里を過ぎ、次にイカルガ王子に奉幣云云」とあり、この宮の古さを知ることができます。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡印南町印南
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で15分
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19. 切目王子10分地図
きりめおうじ
切目王子は、熊野九十九王子のなかでも地位の高い五体王子のひとつに数えられ、平安から鎌倉時代の天皇、上皇、法皇、女院、武人、文人、墨客は必ず参詣していたといいます。また、平清盛の評議場所だったことでも知られています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡印南町西ノ地328
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町産業課)
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- P10台
徒歩で15分
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終点. JR切目駅
秘話
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秘話 2樹齢300年「切目神社のホルトノキ」地図
切目神社の境内、社殿の左には樹齢300年と推定されるホルトノキがあり、県の天然記念物に指定されています。ホルトノキは暖地の山地に生える暖地性常緑高木で、本州においては紀州以外ではなかなか見られません。地面近くから何本にも分かれた枝を、高さ約16mまで伸ばす姿はまさに「珍木」といった雰囲気です。
- 住所
- 日高郡印南町西ノ地328
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町産業課)
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- あり
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秘話 3源義朝の乱を鎮めた「平清盛のナギの木」地図
ホルトノキと並んで有名なのが切目神社の御神木・ナギの木。熊野詣の途中、源義朝の乱の知らせを受けた平清盛は、切目神社前で評議し、武運を祈ったといいます。その際、ナギの枝を左袖につけて都に引き返し、ナギの葉の加護によって勝利を収めたとされ、以来、ナギの木は熊野詣のお守りとして知られるように。
- 住所
- 日高郡印南町西ノ地328
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町産業課)
- 営業時間
- 参拝自由
- 定休日
- 参拝自由
- 料金
- 参拝自由
- 駐車場台数
- あり
インスタ
映え
立ち寄り
スポット
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立ち寄りスポット 1湯浅町並み散策地図
ゆあさまちなみさんさく
和歌山県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区。通りと小路が面的に広がる地割りが特徴的で、醸造関連の町家、土蔵など近世から近代にかけての伝統的な建造物が多く見られます。
- 体験
- 住所
- 有田郡湯浅町青木668番地1(湯浅町観光協会)
- 電話番号
- 090-7877-4749(語り部:半邊宗五)
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- あり