万葉集の代表歌人・山部赤人に「若の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴きわたる」と詠まれるなど、万葉歌人に愛された和歌の聖地・和歌の浦。潮の満ち引きとともに、陽光を受けて刻々と表情を変化させ、入江を取り囲む山の桜が彩る春、新緑が包む初夏、紅葉が鮮やかに染まる秋、雪景色を見せることもある冬…と、時間の流れの中でひと時として同じ光景は見られない、県内屈指の景勝地です。江戸時代には紀州徳川家の城下町に近い名勝としてもにぎわいを見せ、藩主・頼宣も景観の保護や整備に努めました。周辺には徳川家ゆかりの建造物も多く残り、また歌川広重が『六十余州名所図会』で鶴が舞う和歌の浦を描くなど、内外の人びとに親しまれてきました。2010年8月には国の名勝にも指定された和歌の浦を散策しながら、温故知新の旅はいかがでしょう。和歌の神様を祀る玉津島神社や、赤人の歌によって命名された片男波(かたおなみ)をはじめとする河岸美、聖武天皇も感嘆した奠供山(てんぐやま)などをゆっくりと歩けば、飛鳥時代から江戸時代までの歴史絵巻を紐解くように楽しむことができます。
モデルコース
-
起点. 阪和道和歌山IC
車で20分
-
1. 玉津島神社30分地図
たまつしまじんじゃ
和歌の神様・衣通姫尊(そとおりひめのみこと)をはじめ、稚日女尊(わかひるめのみこと)、息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)、明光浦霊(あかのうらのみたま)を祀り、山部赤人が「神代より然ぞ貴き玉津島山」と詠んだことでも有名。大阪の住吉大社、明石の柿本神社と並ぶ「和歌三神」の社です。
- 社寺関係
- 住所
- 和歌山市和歌浦中3-4-26
- 電話番号
- 073-444-0472
- 営業時間
- 境内自由(社務所受付は9:00〜17:00)
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P20台
徒歩で5分
-
2. 奠供山15分地図
てんぐやま
玉津島神社の背後にあり、前後に妹背山・鏡山・運蓋山(うんがいさん)・妙見山・船頭山が並びます。万葉時代にこの6山は海に囲まれ、玉を連ねたように並んだ島々だったので、玉津島山と歌われました。この地に行幸した聖武天皇は、この景観に感動し「弱浜(わかはま)」の名を「明光浦」と改め、大切に保存するようにと詔を出しました。
- 絶景
- 住所
- 和歌山市和歌浦中3-4-47
- 電話番号
- 073-446-5553(和歌公園管理事務所)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし(玉津島神社駐車場を利用可)
徒歩、車で15分
-
3. 片男波公園30分地図
かたおなみこうえん
砂嘴(さし)という半島状の独特な地形が人びとの心を捉え、『万葉集』でも詠まれています。万葉を代表する歌人・山部赤人が詠んだ和歌の「潟を無み」が転じて「片男波」という地名として残ったといわれます。公園入口近くには山部赤人の「玉津島讃歌3首」の歌碑があり、突端には「万葉の小路」が整備されています。
- 城・庭園・公園・温泉等
- 住所
- 和歌山市和歌浦
- 電話番号
- 073-446-5553(和歌公園管理事務所)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- P200台
車ですぐ
-
4. 片男波公園<万葉館>40分地図
かたおなみこうえんまんようかん
奈良から和歌山までの旅をテーマに展示物が陳列されており、紀伊万葉植物の写真と歌、馬具の複製、紀伊万葉地図や万葉の時代の人々の暮らしぶりなども学べます。「万葉シアター」では山部赤人が詠んだ和歌の浦の風景を実写映像で放映するほか、「有間皇子の変」を漫画家・里中満智子のオリジナルイラストで紹介。
- 美術館・博物館等
- 住所
- 和歌山市和歌浦南3丁目1700
- 電話番号
- 073-446-5553(和歌公園管理事務所)
- 営業時間
- 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 定休日
- 年中無休(機器等点検日は休館)
- 料金
- 入館料=無料
- 駐車場台数
- P200台
車で10分
-
5. 和歌浦漁港 おっとっと広場90分地図
わかうらぎょこう おっとっとひろば
和歌浦漁港の魚市場。7店舗あるフードコートでは、和歌浦名物のメニューがずらり。なかでもわかしらす丼600円が看板商品。紀州勝浦産のまぐろ丼1000円や鯛めし500円のほか、和歌山の名産品がそろうお土産コーナーも。
- 飲食関係
- 住所
- 和歌山市新和歌浦1-1
- 電話番号
- 073-446-3308
- 営業時間
- 10:00〜14:00
- 定休日
- 月〜金曜休
- 駐車場台数
- P44台(おっとっと広場前駐車場利用)
車ですぐ
-
6. 和歌の浦温泉萬波60分地図
わかのうらおんせん まんぱ
和歌の浦が一望できる絶景温泉、雑賀崎港・和歌浦港から直接買い付けした新鮮な魚介が味わえるレストランなどを備えた温泉宿。日帰りプランも充実。旅の合間に、リゾート気分が楽しめます。
- 城・庭園・公園・温泉等
- 住所
- 和歌山市新和歌浦2-10
- 電話番号
- 073-444-1161
- 営業時間
- 11:00〜15:00(日帰り入浴)
- 定休日
- 不定休
- 料金
- 入浴料=1512円
- 駐車場台数
- P50台
徒歩で5分
-
7. 蓬莱岩20分地図
ほうらいいわ
和歌浦漁港から雑賀崎へと海岸沿いに続く遊歩道に現れる蓬莱岩。真ん中に穴が開いた、ユニークな形をした奇岩です。岩のすぐそばまで近づくこともでき、対岸には和歌山マリーナシティも望める、絶好の散策スポット。
- 絶景
- 住所
- 和歌山市新和歌浦
- 電話番号
- なし
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で5分
-
8. 鷹屋製菓30分地図
たかやせいか
1965年創業の老舗菓子店。和歌浦名物・和歌浦せんべい23枚箱入り370円は、併設する工房で手作業で作られています。不老橋など近隣の名所の焼印が施された、素朴な味わいで、幅広い年代から愛されています。
- お土産処
- 住所
- 和歌山市和歌浦南2-8-1
- 電話番号
- 073-448-1617
- 営業時間
- 8:00〜18:00
- 定休日
- 水曜休
- 駐車場台数
- 3台
車で30分
-
終点. 阪和道和歌山IC
秘話
-
秘話 1干潟の上を悠々と舞う鶴の姿に思いを馳せて
歌人の山部赤人が和歌の浦一帯を詠んだ有名な和歌「若の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴(たづ)鳴き渡る」や、歌川広重の『六十余州名所図会』『紀伊 和歌之浦』でも大きく描かれています。この辺りにかつて鶴が飛来していた様子に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
インスタ
映え
立ち寄り
スポット
-
-
立ち寄りスポット 2観海閣地図
かんかいかく
元は紀州初代藩主・頼宣が建てた木造の水上楼閣。東には名草山が控え、和歌の浦の水面に美しい姿を映します。ここから眺める名草山に上る仲秋の名月は、和歌の浦の絶景のひとつともいわれています。
- 社寺関係
- 住所
- 和歌山市和歌浦中3-4
- 電話番号
- 073-446-5553(和歌公園管理事務所)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
-
-
立ち寄りスポット 4紀州東照宮地図
きしゅうとうしょうぐう
元和7年(1621)、頼宣公が父家康公を祀る社として、和歌浦天満宮の隣に造営。社殿は権現造りで「関西の日光」とも呼ばれます。国の重要文化財にも指定されており、左甚五郎の彫刻や狩野探幽の壁画も所蔵しています。
- 社寺関係
- 住所
- 和歌山市和歌浦西2-1-20
- 電話番号
- 073-444-0808
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 定休日
- 無休
- 料金
- 参拝自由、社殿拝観料=500円
- 駐車場台数
- あり
-
立ち寄りスポット 5休暇村紀州加太地図
きゅうかむらきしゅうかだ
日帰り利用も可能な温泉は、少しぬめりがある「美肌の湯」。紀淡海峡をイメージした「紀淡」、和歌山城をイメージした「天守」の2つの浴場があり、男女日替わりで楽しめます。露天風呂からの絶景も魅力的です。
- 城・庭園・公園・温泉等
- 住所
- 和歌山市深山483
- 電話番号
- 073-459-0321
- 営業時間
- 日帰り入浴12:00〜15:50(札止めは15:00)
- 定休日
- なし
- 料金
- 日帰り入浴=1200円
- 駐車場台数
- あり