071万葉歌人が愛した紀伊国への旅 〜紀伊の海に沿って〜

  • 有田
  • 日高
  • 西牟婁
  • 東牟婁

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 奈良時代にまとめられた『万葉集』。紀伊国に関係のある歌は100余首あり、7世紀中頃から8世紀中頃にかけて、飛鳥や奈良の都から紀伊国を訪れた天皇の行幸にお供をした人びと、あるいは公務で訪れた官人(役人)の歌が多くあります。なかには額田王、有間皇子、柿本人麻呂、山部赤人といった代表歌人が詠んだ歌も。紀の川に沿って西下した万葉人の旅は、加太、和歌の浦からは海沿いの道をたどり、一部は船も使ったと伝わっています。海のない大和の国に暮らす万葉人にとって、海沿いの旅は、新鮮で新たな発見と感動の連続であったことでしょう。海南では「名高の浦」「黒牛潟」に旅心を誘われ、「藤白坂」を越えた有間皇子を思い、「糸我山」の桜を愛でながら湯浅へとたどります。そして「三穂の浦」「白崎」を経て、「切目山」「岩代」「三鍋の鹿島」と海の風景を満喫、いよいよ旅の最終目的地の牟婁の湯(白浜)へと至ります。海と温泉に万葉人は身も心も満たされたことでしょう。また、『万葉集』には紀伊半島の南端の「玉の浦」「三輪の崎」の歌も残されています。万葉の歌人が愛でた海沿いの風景をめぐる悠久の旅へ出かけましょう。

images琴の名手で、浄瑠璃や歌舞伎の演目にも名を残す中将姫ゆかりの寺・得生寺。境内には本堂、開山堂、庫裡、鐘堂、宝物庫のほか、万葉歌碑があります

images柿本人麻呂歌集にも「玉の浦」を詠んだ歌が残っています。写真の場所は現在海水浴場になっています

images切目王子を出て坂を上る途中にある万葉歌碑

images万葉学者澤瀉(おもだか)久孝氏の揮毫

モデルコース

  • 起点. 阪和道有田IC

    車で10分

  • 1. 糸我峠50分地図

    いとがとうげ

    有田から湯浅へ抜ける糸我峠。ここを越えた万葉歌人が峠道に咲く桜に感銘を受け、「足代(あて)過ぎて糸我の山の桜花散らずあらなむ帰り来るまで」と詠んでいます。この歌が刻まれた歌碑が立つ得生寺には、「中将姫伝説」もあり、毎年姫の命日とされる5月14日には糸我の会式(えしき)が行われます。

    • その他
    住所
    有田市糸我町幡229
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で1時間

  • 2. 三穂の浦20分地図

    みほのうら

    日ノ御埼に向かう海岸沿いに立つ、大岩に御影石をはめ込んだ歌碑には「風早の三穂の浦廻を漕ぐ舟の船人さわぐ波立つらしも」と刻まれています。これは三穂の地で詠まれた万葉歌です。歌碑の向こう側には万葉人が眺めたであろう絶景の海が広がっていて、波の立つ海を望み、万葉人に思いを馳せるのも一興です。

    • その他
    住所
    日高郡美浜町三尾
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

    images

    車で20分

  • 3. 元祖せち焼き やました50分地図

    がんそせちやきやました

    焼きそばを卵だけで固め、お好み焼き状に仕上げるせち焼き。1955年頃に初代店主の山下夏子さんが、学生たちにいち早く出すために考案。今でも削りたてのカツオブシを使うなど昔の味を守っています。ミックスせち800円。

    • 飲食関係
    住所
    御坊市湯川町財部49-12
    電話番号
    0738-22-3227
    営業時間
    11:00〜15:00(売り切れ次第終了)
    定休日
    火・水曜休
    料金
    なし
    駐車場台数
    8台

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    車で25分

  • 4. 切目山30分地図

    きりめやま

    熊野九十九王子の中でも社格の高い五体王子のひとつ切目王子社の近くに、「切目山行きかふ道の朝霞ほのかにだにや妹に逢はざらむ」と刻まれた歌碑が立っています。切目山に立つ朝霞に寄せ、恋人に逢えますようにと詠んだもの。切目山は現在「狼烟山(のろしやま)」と呼ばれ、歌碑の左前方に見える円錐形の山がそれです。

    • その他
    住所
    日高郡印南町西ノ地
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

    images

    車で15分

  • 5. 紀州梅干館20分地図

    きしゅううめぼしかん

    工場見学や体験を通して梅干しの魅力を伝える施設。直売店では、スイートはちみつなど約10種の梅干しが並ぶほか、日本酒で作った梅酒など梅商品が並びます。お土産には売店限定のちょいワル梅干(1000円)がオススメです。

    • お土産処
    住所
    日高郡みなべ町山内1339
    電話番号
    0739-72-2151
    営業時間
    8:30〜17:00
    定休日
    なし
    料金
    入場料=無料 ※体験は有料(体験により異なる)
    駐車場台数
    20台

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    車で35分

  • 6. 牟婁の湯40分地図

    むろのゆ

    1350余年の歴史をもつ源泉が満喫できる、白浜温泉を代表する外湯。「砿湯(まぶゆ)」と「行幸湯(みゆきゆ)」の異なる源泉からお湯を引いているため、1度に2種類のお湯が楽しめます。万葉歌人も目指した温泉でひと息つきましょう。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    西牟婁郡白浜町湯崎1665
    電話番号
    0739-43-0686
    営業時間
    7:00〜22:00(入場は21:30まで)
    定休日
    火曜休
    料金
    入浴料=420円
    駐車場台数
    7台

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    車で1時間15分

  • 7. 玉の浦30分地図

    たまのうら

    諸説ありますが、那智勝浦へは牟婁の湯から足をのばして万葉歌人が訪れたとされています。「荒磯ゆもまして思へや玉の浦離れ小島の夢にし見ゆる」「我が恋ふる妹は逢はさず玉の浦に衣片敷きひとりかも寝む」など、現在の那智勝浦町粉白から浦神にかけての入り江とされる「玉の浦」を詠んだ歌が残されています。

    • その他
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町粉白
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で30分

  • 8. 三輪の崎30分地図

    みわのさき

    新宮市内には万葉集や多くの歌集に詠まれた碑があり、三輪崎駅側の黒潮公園には数多くの歌碑があります。「苦しくも降り来る雨か神の崎(みわのさき)狭野の渡りに家もあらなくに」は万葉を代表する歌人長意吉麻呂(ながのおきまろ)が歌ったもの。熊野に降る激しい雨に翻弄される万葉の旅人の心情を察することができます。

    • その他
    住所
    新宮市佐野
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で5分

  • 終点. 那智勝浦新宮道新宮南IC

秘話

  • images

    秘話 1柿本人麻呂が詠んだハマユウを目指して

    新宮市の三輪崎漁港から堤防を歩いて渡ることのできる孔島(くしま)では、6月下旬から8月上旬にかけてハマユウの花が咲き乱れます。島には厳島神社があり、柿本人麻呂がそのハマユウを詠んだ歌碑も。ハマユウのほか、51科約120種の植物が観察でき、植物群落として地元民に親しまれています。

インスタ
映え

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    インスタ映え 1葺き替えたばかりの日本美を感じる檜皮葺屋根地図

    日高郡印南町の切目神社。県指定文化財で、春日造の本殿、檜皮葺の社殿が鎮座しています。2017年5月には社殿の檜皮葺屋根を葺き替え。新しくなった檜皮葺屋は美しく、日本の伝統美を体験することができます。

    住所
    日高郡印南町西ノ地328
    電話番号
    0738-44-0239
    営業時間
    参拝自由
    定休日
    参拝自由
    料金
    参拝自由
    駐車場台数
    あり
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    インスタ映え 2メディアでも話題! 岩山に建つ人面の家地図

    切目神社を北に進んですぐの場所に突如現れる人面の家。別荘として使われていて、中を見ることはできませんが、数々のメディアに取り上げられ話題に。鼻の部分は通気口、黄色の帽子部分はバルコニーになっています。

    住所
    日高郡印南町大字西ノ地
    電話番号
    なし
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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