保田龍門(やすだりゅうもん)は、明治24年(1891)5月に和歌山県那賀郡龍門村荒見(現在の紀の川市)に生誕。東京で開かれていた文部省美術展覧会(文展)で菱田春草の「落葉」に出合い、美術の道を目指します。芸術の世界を夢みる龍門を東京美術学校に入れようと、母は学資を工面、龍門は大正元年(1912)、東京美術学校(現在の東京藝術大学)西洋画科に入学します。在学中に才能が開花、卒業のために制作した『母と子』は文展(現在の日展)で特選を獲得。この作品で龍門は、苦労をかけた母を描くことで恩返しをしようとし、母は「姿勢が崩れては描きにくいだろう」と、火鉢で足の裏を焼いて眠気を覚ましたといいます。大正9年(1920)に渡米、翌年にはパリに渡ってロダンの助手だったブールデルが教えていたパリの美術教室で彫刻を学びました。帰国後、郷里の龍門村に西村伊作設計のアトリエ付き住居を建てた龍門は、日本美術院(院展)を発表の舞台に、戦後は大阪市立美術研究所、和歌山大学学芸学部(現在の教育学部)で後進の指導にあたり、関西の美術界に大きな影響を与えました。今も和歌山には多くの龍門作品が残っています。
モデルコース
-
起点. 阪和道和歌山IC
車で20分
-
1. 和歌山県庁15分地図
わかやまけんちょう
和歌山県庁本館には、保田龍門作の『古事記』『日本書紀』を題材とした2つのレリーフが設置されています。3〜4階の踊り場には『古事記』に登場する、天照大神の妹君「丹生都比賣命(にうつひめのみこと)」、2〜3階の踊り場には、神武東征神話に登場する「高倉下命(たかくらじのみこと)」が来庁者を迎えてくれます。
- その他
- 住所
- 和歌山市小松原通1-1
- 電話番号
- 073-441-2775(和歌山県観光振興課)
- 営業時間
- 9:00〜17:45
- 定休日
- 土・日曜、祝日
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- あり
徒歩で5分
-
2. わかやま歴史館2階展示室30分地図
わかやまれきしかんにかいてんじしつ
和歌山の歴史について紹介するほか、観光案内所なども併設。展示室2「わかやま人物探訪」では、和歌山市出身の松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助、むめ夫人のブロンズレリーフも展示されています。
- 美術館・博物館等
- 住所
- 和歌山市一番丁三番地
- 電話番号
- 073-435-1044
- 営業時間
- 9:00〜17:30(最終入場17:00)
- 定休日
- 年末年始
- 料金
- 入場料=100円※和歌山城天守閣との共通入場券あり
- 駐車場台数
- なし
車で5分
-
3. 紀陽銀行本店10分地図
きようぎんこうほんてん
和歌山市本町通りにある、紀陽銀行本店。地上約8mの高さの壁面には、保田龍門によるレリーフの大作4作品があります。北側から順に林業(春)、漁業(夏)、柑橘(秋)、繊維(冬)と和歌山県の主要産業や物産を表しています。
- 美術館・博物館等
- 住所
- 和歌山市本町1-35
- 電話番号
- 073-423-9111
- 営業時間
- 9:00〜17:00(問合電話受付)
- 定休日
- 土・日曜、祝日
- 駐車場台数
- P32台
車ですぐ
-
4. 庄内60分地図
しょうない
山形県・庄内平野の平田牧場で育てたブランド豚を使ったとんかつ専門店。平牧三元豚の特厚ロースカツ膳1600円は、みそ汁、漬物、お替わり自由のごはん、キャベツ付き。自家製とんかつソースやごまドレッシングも美味!
- 飲食関係
- 住所
- 和歌山市本町2-1 フォルテワジマ 7F
- 電話番号
- 073-488-1830
- 営業時間
- 11:30〜15:00(LO14:00)、17:00〜21:00(LO20:00)
- 定休日
- 月曜
- 駐車場台数
- フォルテワジマ駐車場利用
車で10分
-
5. 陸奥宗光像10分地図
むつむねみつぞう
岡公園の駐車場の南端には、和歌山市出身の政治家・陸奥宗光の銅像が設置されています。陸奥は日本の近代化に貢献した手腕を称えて「剃刀(カミソリ)大臣」と呼ばれた人物。像は保田龍門のスケッチをもとに、龍門の没後、彫刻家で龍門の息子である保田春彦によって制作されたものです。
- その他
- 住所
- 和歌山市岡山丁 岡公園内
- 電話番号
- 073-435-1234 (和歌山市観光課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- P34台(岡公園内駐車場)
車ですぐ
-
6. 和歌山県立近代美術館60分地図
わかやまけんりつきんだいびじゅつかん
和歌山県立近代美術館ではコレクション展や企画展で、保田龍門・春彦父子の作品を展示することも。敷地内のエントランスには春彦の彫刻作品「球を覆う幕舎」(ステレンススチール/1994年)が展示されています。
- 美術館・博物館等
- 住所
- 和歌山市吹上1-4-14
- 電話番号
- 073-436-8690
- 営業時間
- 9:30〜17:00(最終入場16:30)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌日)
- 料金
- 常設展=350円
- 駐車場台数
- P90台
施設内
-
7. Bring Book Store30分地図
ぶりんぐぶっくすとあ
近代美術館内のブックカフェ。書庫をイメージした大きな本棚に囲まれた店内は、学校の廃材を使用したテーブルや椅子が配された木の温もりあふれる空間。ガトーショコラ+梅シロップソーダのセット870円など。
- 飲食関係
- 住所
- 和歌山市吹上1-4-14 和歌山県立近代美術館2F
- 電話番号
- 073-425-4344
- 営業時間
- 11:00〜17:00
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌日)
- 駐車場台数
- P90台
車で10分
-
8. 岡崎邦輔像5分地図
おかざきくにすけぞう
和歌山市出身の政治家であり実業家の岡崎邦輔の胸像は龍門作。岡崎は陸奥宗光の跡を受け衆議院議員に当選、農林大臣、貴族院議員を歴任しました。実業家としては、京阪電気鉄道、大同電力社長などを務めた人物です。
- その他
- 住所
- 和歌山市南材木丁3
- 電話番号
- 073-435-1234 (和歌山市観光課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で15分
-
終点. 阪和道和歌山IC
秘話
-
秘話 1全国で見られる保田龍門の作品たち
1941年に伊豆下田に吉田松陰像を設置、1951年より10年以上をかけて名古屋市平和堂の全体計画をまとめるなど、保田龍門は和歌山県内だけでなく、全国各地に多くの公共的作品を残しています。
-
秘話 2南方熊楠の死後、デスマスクを制作地図
1941年12月29日、74歳の生涯を閉じた南方熊楠。その夜、依頼を受けた保田龍門が南方家に駆けつけ、一晩かかってデスマスクを取りました。「南方熊楠記念館」では、松江夫人が保全した、熊楠が遺した蔵書や原稿、研究資料などと共に、このデスマスクを見ることができます。
- 住所
- 西牟婁郡白浜町3601-1
- 電話番号
- 0739-42-2872
- 営業時間
- 9:00〜17:00(最終入館16:30)
- 定休日
- 木曜
- 料金
- 入館料=600円
- 駐車場台数
- あり