082行きたい街道日本一! 司馬遼太郎も旅した道・古座街道をゆく

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 周参見川を上流に向かい、獅子目峠を経由し古座川を河口へと進む「古座街道」。司馬遼太郎『街道をゆく』シリーズに登場し、昭和52年(1977)に単行本化された『街道をゆく8 熊野・古座街道、種子島みち ほか』に収録されました。また、朝日新聞の会員アンケートで「行きたい街道日本一」に選ばれるなど、全国的にも人気の高い街道です。司馬遼太郎が本書の中で「周参見の浜から周参見川の渓流ぞいに二、三キロも入れば鬱然とした樹叢で、梢にも根方にも太古の気がひそんでいる」と綴っているように、自然の生命力あふれる景勝はこのルートの魅力。古座川の「一枚岩」に代表されるような、奇岩奇勝も見応え抜群です。また、生々しいほどの歴史の名残を目にできるのも古座街道ならでは。古座川沿いに栄えたかつての「都会」真砂の集落跡は往時のにぎわいとその後の衰退が目に浮かぶようです。道中にふと佇む明治時代の木造洋館、「互盟社」は昭和初期まで続いた西日本の習俗である「若衆組」の拠点だったという面影を伝えています。紀伊半島南端の自然・歴史・文化の息遣いを感じながら、司馬遼太郎が旅した街道をたどりましょう。

imagesかつての「若衆組」の名残としてその歴史を伝える青年会「互盟社」。若者たちが寝泊まりする「若衆宿」として使われていたとされています

images古座川の川中にぽっこりと浮かぶ「河内島」をご神体とする「河内神社」

images今も面影が残る「真砂舟の着き場跡」

images2段の滝が美しい「雫の滝」

モデルコース

  • 起点. 紀勢道すさみIC

    車で15分

  • 1. 雫の滝30分地図

    しずくのたき

    獅子目峠の手前、県道38号沿いにある周参見川本流にかかる滝。落差は約30mで2段に分かれた姿は美しく、滝壺の透き通るようなグリーンもさわやかです。夏は涼しく、アユやアマゴ釣りの人でにぎわいます。司馬遼太郎は本のなかで「道路上にまで雫が舞い上がってくることからそういう名がついたのにちがいない」と述べています。

    • 絶景
    住所
    西牟婁郡すさみ町小河内
    電話番号
    0739-34-3200(すさみ町観光協会)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で40分

  • 2. 真砂集落跡40分地図

    まなごしゅうらくあと

    かつて熊野の奥地と古座川下流との物資運搬のため、川船が行き交っていました。その川港として栄えたのが真砂です。昭和初期には約150軒も軒を連ね、銀行2軒、登記所1軒、映画館まであり、山中ながらまさに「都会」でした。やがて道路が整備され急速に衰退。集落の中心地跡が往時のにぎわいを物語っています。

    • その他
    住所
    東牟婁郡古座川町真砂
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩ですぐ

  • 3. 真砂の舟着き場跡10分地図

    まなごのふなつきばあと

    川船でやってきた積荷は真砂で牛車に積みかえられ、山中の里へと運ばれました。逆に、山林でつくられた備長炭が船に積まれ、下流へ。船は「真砂舟」と呼ばれ、物流の柱として活躍したのです。今も残る舟着き場跡は、自然の岩の形を利用した天然港。道路から河原へと降りる階段も整備され見学しやすくなっています。

    • その他
    住所
    東牟婁郡古座川町真砂
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

    images

    車で20分

  • 4. 体験交流 古座川ゆず平井の里60分〜地図

    たいけんこうりゅう こざがわゆずひらいのさと

    古座川の上流・平井地区はユズの産地です。「体験交流 古座川ゆず平井の里」では、特産品であるユズを使ったジャムやこんにゃく作りなどの体験を楽しむことができます。

    • 飲食関係
    住所
    東牟婁郡古座川町平井469
    電話番号
    0735-77-0123
    営業時間
    13:00~17:00(要事前。予約受付は8:30~17:00)
    定休日
    土・日曜、祝日(定休日の体験は要相談)
    料金
    1500円~
    駐車場台数
    P20台

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    車で30分

  • 5. 坂本天正堂20分地図

    さかもとてんしょうどう

    ブルーベリー・プレザーブ「せせらぎ瀬音」700円は、ブルーベリー農家がつくる絶品ジャム。ブルーベリーの粒がしっかりと感じられ、濃厚だけど爽やか。時期によって生果実の販売もあります。

    • お土産処
    住所
    東牟婁郡古座川町三尾川466
    電話番号
    0735-75-0021
    営業時間
    9:00頃〜17:00頃
    定休日
    不定休
    駐車場台数
    あり

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    車で10分

  • 6. 道の駅「一枚岩」monolith40分地図

    みちのえき いちまいいわ ものりす

    古座川の名所「一枚岩」を眼前に食事や喫茶ができる道の駅の休憩処。物産コーナーでは、お土産はもちろん、併設しているキャンプ場で使えるグッズや薪などの販売もしています。また、クロスバイクのレンタサイクルもしているので、色んな楽しみ方ができる道の駅となっています。

    • 飲食関係
    住所
    東牟婁郡古座川町相瀬290-2
    電話番号
    0735-78-0244
    営業時間
    飲食・物産 8:30~17:00、物産のみ 10:30~17:00
    定休日
    不定休
    駐車場台数
    P20台

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    車で15分

  • 7. 河内神社20分地図

    かうちじんじゃ

    川の中に浮かんでいるように見える小さな島・河内島を御神体とする河内神社。社殿はなく、島を望める河岸の宇津木に遥拝所があります。国の重要無形民俗文化財に指定されている「河内祭」が行われ、古座川河口から上ってきた3隻の御船が巡航する勇壮な様子を見ることができます。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡古座川町宇津木171
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    参拝自由
    定休日
    参拝自由
    料金
    参拝自由
    駐車場台数
    なし

    images

    車で5分

  • 8. 青年会「互盟社」20分地図

    せいねんかい ごうめいしゃ

    土地の若者男子で組織され、婚姻するまで一人前になるよう教育される「若衆組」。明治以降衰退していき、昭和の初めにはなくなったこの風習ですが、古座川町ではその拠点だった若衆宿・互盟社が残っています。司馬遼太郎は『街道をゆく』の作中で、この「若衆組」に思いを馳せながら旅をしています。

    • その他
    住所
    東牟婁郡古座川町高池
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    見学自由(外観のみ)
    定休日
    見学自由(外観のみ)
    料金
    見学自由(外観のみ)
    駐車場台数
    なし

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    車で50分

  • 終点. 紀勢道すさみ南IC

秘話

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    秘話 1一枚岩にまつわる守り犬伝説地図

    「古座川の一枚岩」に伝わる民話「一枚岩の守り犬伝説」。岩が好物な魔物が岩を食らいながら古座川を上っていき、そしてついに一枚岩を食べようとした時、魔物を見つけた犬が吠えて追い払ったというもの。年に2回、午後5時前の数分だけ岩壁に犬によく似た影が映る現象が数年前から話題です。

    住所
    東牟婁郡古座川町相瀬
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    一枚岩は散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    P20台
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    秘話 2司馬遼太郎も驚いた真砂集落の繁栄地図

    「この真砂には、銀行が二軒と登記所が一軒ありました」。『街道をゆく』のなかで地元出身者が真砂集落について述べた一節。司馬遼太郎は、真砂の繁栄と衰退に思いを馳せ、「日本の昭和の半世紀というものは、変化のすさまじさという点で、人類史上、どの人類も経験しなかったものではないか」と述べています。

    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

インスタ
映え

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    インスタ映え 1見上げんばかりの巨大イチョウ地図

    古座川町三尾川(みとがわ)にある「光泉寺」の大銀杏。毎年11月下旬、葉が黄色く色づき美しい姿を見せます。大きく垂れ下がった気根が特徴で、「子授けイチョウ」として有名です。

    住所
    古座川町三尾川302
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    参拝自由
    定休日
    参拝自由
    料金
    参拝自由
    駐車場台数
    あり

立ち寄り
スポット

  • images

    立ち寄りスポット 1一枚岩地図

    いちまいいわ

    古座川町相瀬地内にある国指定の天然記念物。高さ100m、幅500mもある一枚の巨石は重厚な雰囲気を醸し出し、遠くから見てもその巨大さは一目瞭然。桜や紅葉、セッコクなど四季折々の景観を楽しむことができます。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡古座川町相瀬
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 2美女湯温泉地図

    みめゆおんせん

    古座川上流の山里に、ひっそりと佇む温泉。柔らかい肌ざわりと無色透明の泉質は美肌効果があり、地元の人にも人気です。3人入ればいっぱいになるこじんまりした湯舟につかって。

    住所
    東牟婁郡古座川町長追257
    電話番号
    0735-75-0505
    営業時間
    14:00〜20:00
    定休日
    月・水・金曜
    料金
    入浴料=300円
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 3光泉寺地図

    こうせんじ

    境内にそびえ立つ樹齢400年ともいわれるイチョウの木は、高さ約30m、幹周り約6mの大きさで、古座川町の文化財にも指定。乳房のような気根が垂れ下がることから「子授けイチョウ」とも呼ばれています。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡古座川町三尾川302
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    境内自由
    定休日
    境内自由
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 4KAC 古座川アドベンチャー倶楽部地図

    カック こざがわアドベンチャーくらぶ

    清流「古座川」でカヌーやSUPなどウォーターアクティビティが楽しめます。古座川周辺には巨大な岩が多く見どころがたっぷり。ガイド・インストラクター同行なので、初心者でも子ども連れの家族でも存分に楽しめます。

    • 体験
    住所
    東牟豊郡古座川町月野瀬929
    電話番号
    0735-72-3293、090-1672-5522
    営業時間
    8:30〜17:00(受付時間8:30〜18:00)
    定休日
    不定休
    料金
    体験料=半日6000円、1日1万1000円
    駐車場台数
    あり

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