元永元年(1118)、代々武家の身分であった佐藤康清の子として生まれた西行は、出家以前は義清(のりきよ)といいました。保延元年(1135)に鳥羽法皇の指示で北面の武士に採用されるが、理由は明らかでないものの23歳の時に突如出家。吉野山の麓をはじめ、陸奥や出羽、瀬戸内や讃岐など心の赴くままに諸国を行脚し、実にさまざまな地で庵を営み、和歌を詠んだといいます。修行のため、陸奥へ旅立ったのは久安2年(1146)、西行が29歳の頃。その後、3年間の陸奥の旅から帰り着いた西行は、拠るべき仏法を見定め、高野山へ入山。西行の高野山での居住は、度重なる出入りを繰り返しつつも30年にもわたったとされます。高野山から京へ上る途中、天野(現在の和歌山県伊都郡かつらぎ町)を経る道があります。田畑が広がり人家がひっそりと佇む天野の郷は、桃源郷を思わせ西行を魅了。この天野の地で、西行は同じく出家した妻子とともに庵を営み、修行しながら暮らしたといわれます。全国を行脚し、多くの歌を残した西行のルーツを辿り、それぞれの景色を眺めながら彼が和歌に詠んだ思いに心を重ねてみるのも一興です。
モデルコース
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起点. 京奈和道橋本東IC
車で15分
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1. 西行庵15分地図
さいぎょうあん
西行は、『新古今和歌集』の代表的歌人の一人。もともと鳥羽上皇の北面の武士であった職を捨て法師となった西行は、旅の途中の一時期、この小さな庵で3年間生活したとされます。また、庵の近くには西行が詠んだ歌に出てくる苔清水が今でも湧き出ており、歌の思いを重ねることができます。内部には西行の像も祀られています。
- その他
- 住所
- 橋本市清水
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で30分
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2. 西行堂10分地図
さいぎょうどう
心の赴くまま、各地に庵を建てて暮らしたとされる西行。彼とともに出家した妻娘が修行しながら住んだと伝えられる天野の地で生涯を終えた2人を偲んで建てられました。以降、平安時代末期から天野の里人たちにより再建を繰り返し、守られています。現在のお堂は、1986年に場所を移して再建されたものです。
- その他
- 住所
- 伊都郡かつらぎ町下天野
- 電話番号
- 0736-22-0300(かつらぎ町観光協会)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で1分
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3. 西行妻子の墓10分地図
さいぎょうさいしのはか
西行の妻娘が眠るとされる墓。西行堂からわずか3mの場所に建てられているのは、西行が住んだと伝わる庵が朽ちた後、天野の里人たちが墓の横に「西行堂」を建て、西行並びに妻娘の供養を始めたため。西行本人ではなく、その妻娘が天野の地で生活したことを伝えるものとして、非常に珍しいとされます。
- その他
- 住所
- 伊都郡かつらぎ町下天野
- 電話番号
- 0736-22-0300(かつらぎ町観光協会)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で15分
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4. 伊咲亭60分地図
いさきてい
旬の素材を使い、丁寧に作られたフランスの家庭料理をランチやディナーで楽しめる。ランチセットはメインのほかスープ、キッシュ、コーヒーなどがついてボリューム満点。豚サーロインのソテー 香味バターソース ランチセット1350円。
- 飲食関係
- 住所
- 伊都郡かつらぎ町東渋田635
- 電話番号
- 0736-22-1595
- 営業時間
- 8:30〜18:00(L.O 17:30)
- 定休日
- 日・月曜休
- 駐車場台数
- P5台
車で20分
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5. 粉河寺45分地図
こかわでら
西行が旅の途中に立ち寄ったとされる粉河寺。開創は奈良時代末期の宝亀元年(770)。人びとの信仰を受けて繁栄、天正13年(1585)豊臣秀吉の兵乱で、大半の寺宝を焼失。その後徳川家の庇護と信徒の寄進により、江戸時代中〜後期に現存の諸堂が完成。西国三十三所観音霊場第三番札所として多くの巡拝者が訪れます。
- 社寺関係
- 住所
- 紀の川市粉河2787
- 電話番号
- 0736-73-4830
- 営業時間
- 8:00〜17:00(受付)
- 定休日
- 拝観自由
- 料金
- 本堂内拝観料=400円※境内は無料
- 駐車場台数
- P 100台(有料)
車で15分
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6. 歌聖西行法師像10分地図
かせいさいぎょうほうしぞう
紀の川市竹房は西行が育ったとされる土地。郷土の偉人を讃え、紀の川市が銅像を建立。高さ2mのブロンズ像の下には西行の和歌「なげけとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな」が刻まれています。
- その他
- 住所
- 紀の川市窪
- 電話番号
- 0736-77-2511(紀の川市生涯学習課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- P4台
徒歩で7分
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7. 西行法師生誕の地石碑10分地図
さいぎょうほうしせいたんのちせきひ
歌聖西行法師像から南東へ約500m移動すると見える、龍蔵院にある生誕石碑。西行の俗名である佐藤氏は、代々京都に出仕した家柄。付近に「佐藤城址」という通称名が残り、往時の佐藤氏の隆盛がうかがえます。
- その他
- 住所
- 紀の川市竹房152
- 電話番号
- 0736-77-2511(紀の川市生涯学習課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で45分
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8. 和歌の浦30分地図
わかのうら
万葉の時代の歌枕にもなった、和歌の聖地である和歌の浦。西行は『山家集』にて「苗代に 堰下されし 天の川 とむるも神の 心なるべし」と詠み、ここの風景の美しさは神の御心によるものと讃えました。かつてこのまま持ち帰りたいと万葉歌人が詠った和歌の浦の情景は、刻一刻と輝きながら変化し、今も人びとを魅了しています。
- 絶景
- 住所
- 和歌山市新和歌浦
- 電話番号
- 073-441-2775(和歌山県観光振興課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
車で15分
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9. 濱辰商店10分地図
はまたつしょうてん
三代にわたって受け継がれる、歴史あるかまぼこ専門店。先代は力士として「和歌木山」という四股名で活躍した経歴をもつ。和歌山の自然の恵みが詰まったかまぼこは、お土産としても人気。『濱辰のかまぼこ』厚焼き箱入1998円。
- お土産処
- 住所
- 和歌山市雄松町3-48-1
- 電話番号
- 073-402-1737
- 営業時間
- 9:00〜19:00
- 定休日
- 水・日曜休
- 駐車場台数
- P5台
車で15分
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終点. 阪和道和歌山IC
秘話
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秘話 1あの平清盛と同僚!? 西行の意外な過去
西行は俗名を佐藤義清といい、兵衛尉(ひょうえのじょう)などの官職を務めた武士の血筋として生まれました。18歳で左衛門尉となり、北面武士として鳥羽上皇を護衛。この頃、同年生まれの平清盛も同じく北面武士であり、同僚の仲だったといわれます。
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秘話 2900年の歴史!産湯に使用したとされる井戸地図
田中荘・池田荘(紀の川市)の荘官であった佐藤家に生まれた西行。西行生誕地の碑がある龍蔵院の境内東側には西行が産湯に使ったといわれる井戸が今も残っており、900年以上の歴史を刻み続けています。
- 住所
- 紀の川市竹房152
- 電話番号
- 0736-77-2511(紀の川市生涯学習課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- なし
- 駐車場台数
- なし
インスタ
映え
立ち寄り
スポット
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立ち寄りスポット 1西行桜地図
さいぎょうざくら
壇上伽藍入口から蛇腹路を抜けた場所に佇む三昧堂の前には春になると桜が咲きます。「西行桜」と名付けられたこの桜は、三昧堂が総持院境内から移された際に修造にかかわった西行法師に手植えされたと伝わります。
- その他
- 住所
- 伊都郡高野町大字高野山
- 電話番号
- 0736-56-2011 (金剛峯寺)
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- あり
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立ち寄りスポット 2潜水橋(畑山橋) 地図
せんすいきょう(はたやまばし)
富田川に掛けられた細長い橋。川は氾濫を繰り返していたので、欄干など水の抵抗を受けるものを省いた潜水橋になりました。渡るにはちょっと勇気がいる形をしていますが、眼下には透き通った美しい川が広がります。
- その他
- 住所
- 西牟婁郡上富田町岩田(富田川)
- 電話番号
- 0739-47-0550(上富田町役場)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし