093紀州の「妖し」物語

  • 日高
  • 西牟婁
  • 東牟婁

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 面積の約75%以上が山林という自然豊かな和歌山県。一方で厚い熊野信仰が根付く土地だという面からも、古来よりさまざまな民話や伝説、不思議な言い伝えが県内各所に残っています。今回ご紹介する白浜町の「ましらら媛」伝説のほか、日高川町・道成寺に伝わる清姫の伝説、湯の峰温泉に伝わる照手姫の物語など、女性にまつわる言い伝えが散見されるのも特徴です。また、川が人びとの生活にとって身近だったからでしょうか、「ゴウラ(河童)」の伝説は、モデルコース上にある田辺市中辺路町の近露(ちかつゆ)大橋のほか、白浜町の田野井橋にもあります。古座川の一枚岩などは、その圧倒的な迫力がすでに人知を超え、そこに大きな妖怪がぬっと現れてもおかしくないような、不思議な感覚に襲われます。山や海が生活とともにあった往時の人びとは、きっと雄大な自然に対する畏敬の念から、さまざまな「妖し」の物語を生み出してきたのでしょう。田辺市から、紀伊半島の南側を約半周する長距離コース。熊野の人々が感じた大自然と摩訶不思議を求めて、じっくりとめぐってみてください。

images古座川の一枚岩は、圧倒的な存在感。河原までおりて見学でき、また隣接するレストラン「鹿鳴館」で食事をしながら眺めることができます

images「ましらら媛」伝説ゆかりの貝「ホンカクジヒガイ」を展示する白浜町の本覚寺

images岩が入り組んだ海岸線をつくる荒船海岸

images白良浜にある「ましらら媛」の像

モデルコース

  • 起点. 阪和道南紀田辺IC

    車で20分

  • 1. 近露大橋の河童像「ゴウラ(河童)伝説」30分地図

    ちかつゆおおはしのかっぱぞう

    昔、馬を河原に繋いでいたところ、ゴウラが現れ、綱で川へ馬を引き込もうとしましたが、反対に馬に引きずられ人に捕まりました。そこで、「松ノ木淵の松が天に届くまで、橋谷のしだれ松が地に届くまで、そして下宮の駒犬が腐るまで再び出てこない」と約束させ放したと伝えられています。

    • その他
    住所
    田辺市中辺路町近露
    電話番号
    0739-64-1470(中辺路観光協会/熊野古道館)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で60分

  • 2. 本覚寺「ましらら媛伝説」30分地図

    ほんかくじ

    真白良媛(ましららひめ)という美しい娘と悲劇の皇子・有間皇子との悲しい物語。一対の貝を持ち合い「この貝をお互いと思い大切にしよう」と誓いましたが、恋は叶わず…。貝になって結ばれたとされる二人を象徴する一対の貝「ホンカクジヒガイ」が、貝寺として有名な本覚寺に展示されています。

    • 社寺関係
    住所
    西牟婁郡白浜町瀬戸627
    電話番号
    0739-42-3771
    営業時間
    参拝自由、貝の展示室は8:00〜16:30
    定休日
    参拝自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    P8台

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    車で18分

  • 3. 対の浦海岸10分地図

    ついのうらかいがん

    知る人ぞ知るスポット、白浜町の対の浦海岸。海面から見える2つの岩が、まるで手を繋いでいるようにも見えることから「相思相愛の岩」と呼ばれるパワースポットです。

    • 絶景
    住所
    西牟婁郡白浜町富田
    電話番号
    0739-43-6588(白浜町観光課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で45分

  • 4. 浜屋台 マルキヨ40分地図

    はまやたい まるきよ

    クエ造り2200円などの天然のクエ料理を中心に、地元の海産物を使った海鮮料理を提供。アジまたはサバを炭火で丸焼きにする浜焼き定食などランチメニューも人気です。

    • 飲食関係
    住所
    西牟婁郡白浜町1384-50
    電話番号
    0739-43-0640
    営業時間
    11:30〜14:30(LO14:00)、17:00〜21:00(LO20:30)
    定休日
    火曜
    駐車場台数
    なし

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    車で30分

  • 5. 琴の滝「牛鬼伝説」15分地図

    ことのたき

    琴の滝に住み、人の影を食べると言われる牛鬼(うしおに)。影を食べられると間もなく人は死んでしまいます。正月に村人が牛鬼に酒を持っていったところ、酒好きの牛鬼は大喜びし、それ以降村人の影を食べることはなくなったそう。

    • 絶景
    住所
    西牟婁郡すさみ町周参見
    電話番号
    0739-55-4806(すさみ町産業観光課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で40分

  • 6. 古座川の一枚岩「岩かじり伝説」10分地図

    こざがわのいちまいいわ

    ところかまわず岩山を食い荒らす「岩かじり」という魔物がいました。ある日、古座川の下流から岩石を食べながら上っていき、一枚岩を食べようとしたそのとき、一匹の犬に吠えたてられ驚いた岩かじりは逃げていきました。こうして、一枚岩は美しい姿を保つことができたのです。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡古座川町 相瀬
    電話番号
    0735-72-0180(古座川町地域振興課)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    P20台(鹿鳴館駐車場利用)

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    車で30分

  • 7. 荒船海岸「いしなげんしょ伝説」10分地図

    あらふねかいがん

    岩々が複雑な海岸線を見せる荒船海岸。いしなげんしょと呼ばれる美女の姿をした妖怪が、近くを通る船に石を投げるそうです。霧深い夜に、大きな岩が崩れる音が響くことがあり、それもいしなげんしょの悪戯とされています。また沖の船を手招きして海に沈めたとも伝えられています。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡串本町田原
    電話番号
    0735-62-0557(串本町産業課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で15分

  • 8. 下里海岸「桂男伝説」10分地図

    しもさとかいがん

    桂男(かつらおとこ)と呼ばれる美男子が月の隈に住んでおり、満月ではないときに月を眺めていると桂男に招かれ、命を縮めるといいます。下里村(今の那智勝浦町)では、満月以外の月を長時間見ないようにと言い伝えられています。下里海岸を散策中も月の鑑賞にはご注意を…。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町下里
    電話番号
    0735-52-2131(那智勝浦町観光企画課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で40分

  • 9. 色川神社「一つたたら伝説」30分地図

    いろかわじんじゃ

    昔、熊野の山中に一本足の怪物・一つたたらが現れ、村人から恐れられていました。狩場刑部左衛門(かりばぎょうぶざえもん)という若武者が怪物退治を買って出て、矢を持って射抜き退けたと伝えられています。刑部左衛門は、地元・色川の守り神として祀られ神社となったのです。永享7年(1435)の出来事です。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町大野397
    電話番号
    0735-52-3090
    営業時間
    参拝自由
    定休日
    参拝自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    あり

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    車で90分

  • 終点. 紀勢道すさみ南IC

秘話

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    秘話 1まだまだある、紀州の「妖し」物語

    伝説や民話が多く残る和歌山には、ほかにも多くの妖怪話があります。日高川町の「道成寺」に伝わる、惚れた美僧を追い大蛇となった清姫伝説。田辺市の「天神崎」に現れたという猩々(しょうじょう)。「龍神山」には天女の羽衣伝説が。また田辺市龍神村には、平安時代の陰陽師・安倍晴明にまつわる言い伝えも残っており、晴明神社もあります。

インスタ
映え

  • images

    インスタ映え 1珠玉の夕景スポット「対の浦海岸」地図

    コースで紹介している対の浦海岸ですが、沈む夕日を背にした景色はまさに絶景。「相思相愛の岩」がシルエットで浮かぶ様子はなんともロマンチックです。

    住所
    西牟婁郡白浜町富田
    電話番号
    0739-43-6588(白浜町観光課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

立ち寄り
スポット

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    立ち寄りスポット 1道の駅 ふるさとセンター大塔地図

    みちのえき ふるさとせんたーおおとう

    清流・富田川の川沿いにある道の駅。物産販売店では昔ながらのすっぱい梅干し250円〜、金山寺(径山寺)みそ350円が人気。お土産選びに立ち寄るのがおすすめです。

    • お土産処
    住所
    田辺市鮎川997-1
    電話番号
    0739-49-0143
    営業時間
    9:00〜17:45
    定休日
    火曜休(祝日の場合は営業)
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 2しゃり半 地図

    しゃりはん

    熊野古道中辺路の道中、朝来街道沿いにある昔ながらの御食事処。憑かれると脱力感に襲われ意識が遠のくという、妖怪ダル伝説にちなんだ妖怪だるの腰弁当860円(めはりずし、梅ずし入り)が人気です。限定品なので前々日までに予約必須。

    • 飲食関係
    住所
    田辺市鮎川597-86
    電話番号
    0739-49-0275(予約は090-4303-5485)
    営業時間
    11:00〜13:30 
    定休日
    不定休
    駐車場台数
    あり

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