066那智の大自然に夢中? 粘菌採集に明け暮れた南方熊楠の熊野滞在

  • 東牟婁

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地域
時代

 博物学の巨星、南方熊楠(みなかたくまぐす)は、幼少期から驚異的な記憶力で「神童」と呼ばれ、明治17年(1884)には東京大学の前身である大学予備門に入学後中退、同19年(1886)12月にはアメリカへ渡りました。アメリカではミシガン州立農学校へ入学するも校則を破って飲酒し自主退学。しかし植物研究は続け、シカゴの地衣類学者に師事し標本製作を学び、明治25年(1892)にはイギリスへ。やがて大英博物館に出入りするようになり、ここで東洋図書目録編纂係の職を得ましたが、その際、なんと19カ国の言語をフルに使い分け、中国の革命家・孫文などとも交流したといいます。ところが明治31年(1898)に大英博物館で日本人差別を受けて暴力事件を起こし、出入り禁止に。失意のまま帰国した直後、熊楠は南紀に滞在し、勝浦や那智を拠点に熊野の原生林に分け入って粘菌や動植物の調査に没頭、顕微鏡標本や彩色図譜を作成しました。熊楠の活動をサポートした第一の高弟、小畔(こあぜ)四郎と出会ったのも那智でのことです。熊楠を魅了した那智の大自然をめぐり、大学者の一面に迫ってみましょう。

images日本を代表する名瀑、那智の大滝。熊楠はこの滝の奥に広がる那智山原生林を中心に植物採取をおこない、熊野滞在で採集した菌類は2533、藻類は852にも上りました

images熊楠は大門坂の登り口にあった大阪屋旅館に長期滞在し、精力的に植物調査をおこなったといいます

images勝浦港の近くにあった南方酒造勝浦支店

images陰陽橋から熊楠が分け入った那智山を望む

モデルコース

  • 起点. 那智勝浦新宮道那智勝浦IC

    車で20分

  • 1. 那智の大滝45分地図

    なちのおおたき

    133mの落差、水量ともに日本一を誇る滝。飛瀧(ひろう)神社のご神体でもあり、古くから多くの人びとが詣でますが、熊楠が初めてこの名瀑を観たのは南紀に来て間もない明治34年(1901)11月1日のことでした。その後、この東側に広がる原生林を中心に植物調査をおこない、多くの成果をあげました。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町那智山
    電話番号
    0735-55-0321(熊野那智大社)
    営業時間
    7:00~16:30
    定休日
    見学自由
    料金
    お瀧拝所舞台参入料=300円
    駐車場台数
    なし

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    車で10分、徒歩で10分

  • 2. 那智山20分地図

    なちさん

    熊楠は熊野に滞在した2年あまりの間で、菌1065、変形菌48、藻852を採取するなど精力的に活動するだけでなく、那智の水源ともいうべき原生林の伐採計画を耳にしてその保護活動にも尽力しました。陰陽橋から谷を分け入り、陰陽の滝周辺へもたびたび通ったようです(現在は遊歩道崩落のため陰陽の滝へは通行不可)。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町那智山
    電話番号
    なし
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    100台

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    徒歩で10分、車で10分

  • 3. 大阪屋旅館跡30分地図

    おおさかやりょかんあと

    大阪屋は大門坂の登り口に江戸中期から大正時代まで8代続いた宿で、熊楠はここに明治35年(1902)から同37年(1904)までの間定宿として長期滞在、那智山での植物採集の拠点としていました。熊楠の滞在した離れは昭和初期に焼失し、現在跡地は民家(見学不可)になっています。

    • その他
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町那智山
    電話番号
    0735-52-5311(那智勝浦町観光協会)
    営業時間
    外観は見学自由
    定休日
    外観は見学自由
    料金
    外観は見学自由
    駐車場台数
    100台

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    車で10分

  • 4. 補陀洛山寺40分地図

    ふだらくさんじ

    世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部にも登録される古刹で、かつては小舟で観音浄土を目指す補陀落渡海(ふだらくとかい)の出発点でした。ご本尊の十一面千手観音菩薩は国の重要文化財でもあります。日記によれば、熊楠は明治39年(1906)9月28日にここへ訪問しており、田辺へ移住する数日前のことだったようです。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮349
    電話番号
    0735-52-2523
    営業時間
    8:30~16:00
    定休日
    境内自由
    料金
    拝観自由
    駐車場台数
    50台

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    車で10分

  • 5. 熊野カフェ60分地図

    くまのかふぇ

    目の前の弁天島をはじめ那智湾が一望できる絶好のロケーションで、那智の大滝まで眺めることができる絶景カフェ。週替わりランチ900~1200円は、マグロ料理が一品セットに。パノラマと潮風のデッキで優雅なランチを。

    • 飲食関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦1069-1
    電話番号
    0735-30-4244
    営業時間
    7:00 ~17:00 19:00~22:00(夜の営業は4~10月のみ)
    定休日
    木曜休
    駐車場台数
    10台

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    車で5分

  • 6. 南方酒造勝浦支店跡10分地図

    みなかたしゅぞうかつうらしてんあと

    南方酒造は熊楠の父・弥右衛門が創業した酒蔵で、現在の世界一統。熊楠はイギリスからの帰国後、南方酒造を継いだ弟の常楠(つねぐす)のはからいで、酒の直販をしていた勝浦支店のお目付役として明治34年(1901)に勝浦へやって来ました。現在は民家となっており、内部の見学はできません。

    • その他
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町築地2-4-16
    電話番号
    なし
    営業時間
    外観のみ見学自由
    定休日
    外観のみ見学自由
    料金
    外観のみ見学自由
    駐車場台数
    なし

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    車で5分

  • 7. 脇仲倶楽部 入船館30分地図

    わきなかくらぶ いりふねかん

    かつて八百屋だった空き店舗を地元有志が改装し、マグロ船の櫂や大漁旗、勝浦の古い写真などを展示。漁業の町として栄えた勝浦の歴史の一端に触れることができます。ビン玉の縄編み体験なども可(要予約)。

    • 休憩
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦492
    電話番号
    0735-52-0034(脇仲倶楽部事務局)
    営業時間
    9:00~17:00
    定休日
    無休
    料金
    入館料=無料
    駐車場台数
    なし

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    車で1分

  • 8. 天然温泉公衆浴場 はまゆ45分地図

    てんねんおんせんこうしゅうよくじょう はまゆ

    地元の人たちも愛する、天然温泉の公衆浴場。かけ流しで加温もなし、涌いたままの湯が楽しめます。良質の硫黄泉は体の芯からあたたまり、湯上がりはお肌がツルツルに。目の前の港にまで湯の香が漂います。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦970
    電話番号
    0735-52-1201
    営業時間
    15:00~22:00
    定休日
    毎月7・22日
    料金
    入浴料=320円
    駐車場台数
    なし

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    車で10分

  • 終点. 那智勝浦新宮道那智勝浦IC

秘話

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    秘話 1いまだ破られない南方熊楠の偉業とは?

    世界でも権威のある学術雑誌のひとつに挙げられるイギリスの総合科学雑誌『ネイチャー』に掲載された南方熊楠の論文総数は、日本歴代第1位の51本。このトップの座を脅かす日本人科学者は、いまだ出ていません。

インスタ
映え

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    インスタ映え 1那智湾に怪獣出現?「ゴジラ岩」地図

    「那智勝浦のモン・サン・ミッシェル」とも呼ばれる「弁天島」は、裏側から眺めるとゴジラそっくり! 熊野カフェのマスターによれば、那智川の河口付近、那智勝浦町体育文化会館脇の海岸から撮るのがベストとか。

    住所
    東牟婁郡那智勝浦町
    電話番号
    なし
    営業時間
    見学自由
    定休日
    見学自由
    料金
    見学自由
    駐車場台数
    なし

立ち寄り
スポット

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    立ち寄りスポット 1紀の松島巡り地図

    きのまつしまめぐり

    紀の松島と称される周囲約17kmの海岸美を鑑賞するクルーズ船ツアー。紺碧の海に浮かぶ奇礁奇岩の数々は、まさに自然が育んだアート作品そのもの。南国ならではのダイナミックな恵みをぜひ堪能してください。

    • 体験
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦442-20
    電話番号
    0735-52-8188
    営業時間
    8:00~17:00
    定休日
    水曜休
    料金
    乗船料=30分1000円~
    駐車場台数
    なし

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