006信長に挑み続けた男・鈴木孫一(雑賀孫一)の合戦の舞台をたどる

  • 海草

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地域
時代

 旗印に三本足の「八咫烏(やたがらす)」を掲げ、その子孫であるという誇りをもち、織田信長を前に決してひるまなかった強靭さを誇る「雑賀鉄砲隊」。これを率いたのが、鉄砲の名手であり無頼の武将として知られる鈴木孫一(雑賀孫一)です。古来より鉄製品の製造技術に長けていた雑賀の地では、鉄砲の大量生産が可能でした。最新の鉄砲を備え、高度な射撃の腕をもつ雑賀衆は「雑賀の鉄砲隊」として名を馳せます。元亀元年(1570)、信長と対立する本願寺顕如から援助要請を受けた雑賀衆は、大坂本願寺方の主力として石山合戦へ。その後、第一次木津川口の海戦など、雑賀衆の鉄砲技術と孫一の戦略の前に惨敗を喫した信長は、雑賀衆を討つことを決意。そして天正5年(1577)、信長は10万もの軍勢を率いて雑賀攻めを開始したのです。孫一の権力に対する反骨精神や挑み続ける強靭な心は、戦国時代において勇名を馳せようとする武将達のなかで異色の存在であり、紀州の民は自分たちの側に立ち、共に戦い続けてくれる孫一を尊敬しました。そんな孫一の気概をたどるべく、合戦の舞台となった中野城や雑賀城、弥勒寺山城、太田城などゆかりのある史跡をたどります。

images紀州が生んだ戦国の英雄、雑賀孫一が戦いの際に用いたとされる「ほら貝」が、今も保管されている矢宮神社。雑賀衆ゆかりの地のひとつです

images織田信長の紀伊進攻に備え、孫一の父である鈴木佐大夫によって築城されたといわれる雑賀城跡

images雑賀門徒の拠点だった本願寺鷺森別院

imagesかつての弥勒寺山城跡は市民の憩いの場に

モデルコース

  • 起点. 阪和道和歌山IC

    車で15分

  • 1. 太田城跡(来迎寺)10分地図

    おおたじょうあと(らいこうじ)

    日本三大水攻めのひとつに数えられる「太田城の戦(太田城水攻め)」の舞台となった、太田城本丸跡。天正13年(1585)、羽柴秀吉の紀州攻めに際し、10万余人の秀吉軍に対し雑賀衆約5000人が城に立てこもって強く抵抗したため、秀吉軍による水攻めが行われました。現在は来迎寺前に案内看板が、境内には石碑があります。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市太田2丁目3-7
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で15分

  • 2. 秋葉山(弥勒寺山)城跡40分地図

    あきばやま(みろくじさん)じょうあと

    本願寺鷺森別院ができるまで紀伊国の一向宗の中心地であり、山頂には顕如上人の碑が。標高73mと低いが三方を山に囲まれ、一方に和歌川が流れる要害の地で、雑賀合戦の際には孫一が本陣を築城。信長軍を迎え撃つため山全体を城塞化した。現在は「秋葉山公園」として整備、山頂からは和歌山城などが一望できます。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市秋葉町14
    電話番号
    073-435-1076(和歌山市公園緑地課)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で5分

  • 3. 妙見山(雑賀城跡)30分地図

    みょうけんさん(さいかじょうあと)

    雑賀城は孫一の父、鈴木佐大夫によって築城されたと伝えられます。丘山上に広がる千畳敷と呼ばれた広大な平地がかつての城跡で、城を中心に城下町が広がっていました。現在は、城跡山公園(津屋公園)として整備され、山頂には養珠寺がありましたが、城址の明確な遺構などは残念ながら残されていません。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市和歌浦中3
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で5分

  • 4. 矢宮神社30分地図

    やのみやじんじゃ

    賀茂建津之命(かもたけつのみのみこと)、別名「八咫烏命」を祀る雑賀庄の守り神。天正5年(1577)3月3日の雑賀合戦の際に、信長軍の侵攻を阻止した孫一が勝利を祝い、境内で「雑賀踊り」を踊ったと伝えられており、現在も勝ち神様として信仰されています。孫一が戦の際に用いたとされるほら貝も保管。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市関戸1-2
    電話番号
    073-444-0668
    営業時間
    境内自由
    定休日
    境内自由
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    P20台

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    車で15分

  • 5. 山為食堂60分地図

    やまためしょくどう

    和歌山ラーメンの老舗人気店。看板商品の中華そば850円は、厳選した上質の豚骨だしが染み込んだスープがクセになる一杯。太麺との相性も抜群で、常連客が後を絶ちません。大衆食堂の飾らない雰囲気も魅力。

    • 飲食関係
    住所
    和歌山市福町12
    電話番号
    073-422-9113
    営業時間
    11:00〜17:00
    定休日
    日曜、祝日休
    駐車場台数
    P4台

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    車で3分

  • 6. 本願寺鷺森別院30分地図

    ほんがんじさぎのもりべついん

    元亀元年(1570)以来、10年に及ぶ織田信長との合戦を戦い抜いた大坂本願寺も、天正8年(1580)、ついに朝廷の和議斡旋を受け入れ、大坂を退去することに。顕如上人一行は紀州鷺森に本願寺を移転。その後、顕如上人が貝塚に移る3年余の間、浄土真宗の本山となりました。別名「雑賀御坊」とも呼ばれました。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市鷺森1
    電話番号
    073-422-4677
    営業時間
    境内自由
    定休日
    境内自由
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    P約30台

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    車ですぐ

  • 7. 紀州雑賀 孫市城30分地図

    きしゅうさいか まごいちじょう

    孫一がモチーフのキャラクター「まごりん」をはじめ、雑賀衆グッズなどがそろいます。火縄銃を模したグッズやオリジナルのハンドタオルなど、ここでしか手に入らないものも。常時営業ではないので、事前に連絡を。

    • お土産処
    住所
    和歌山市西布経丁1-13
    電話番号
    090-9888-0881
    営業時間
    要問い合わせ
    定休日
    要問い合わせ
    駐車場台数
    P1台

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    車で5分

  • 8. 和歌山市立博物館30分地図

    わかやましりつはくぶつかん

    和歌山の歴史・文化資料を展示している和歌山市立博物館。常設展示『中世―荘園世界と雑賀の人々』のコーナーでは、鉄錆地雑賀鉢兜や石山合戦配陣図、総光寺由来井太田城水攻図(複)など、雑賀衆に関する貴重な資料が展示されています。

    • 美術館・博物館等
    住所
    和歌山市湊本町3-2
    電話番号
    073-423-0003
    営業時間
    9:00~17:00(最終入館16:30)
    定休日
    月曜(祝日の場合は翌日休)、祝日の翌日/6月27日~7月2日(館内燻蒸のため)/12月29日~1月3日(年末年始)
    料金
    入館料=100円、高校生以下無料 *特別展期間中は別料金
    駐車場台数
    40台+障害者用2台

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    車で15分

  • 9. 中野城跡10分地図

    なかのじょうあと

    室町時代に雑賀党によって築かれたと伝わります。天正5年(1577)、織田信長の第一次紀州攻めの際に雑賀衆の前線基地となった城。この中野城を攻め取った信長陣営は本陣をここに移して雑賀攻めを行ったとされます。雑賀の鉄砲合戦が行われた地でもあり、現在は城址の看板が残されています。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市中野
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で10分

  • 10. 和歌山市平井ふれあいセンター30分地図

    わかやましひらいふれあいせんたー

    地域の歴史を発信する展示室を備えた複合施設。センターの1階には平井歴史資料室があり、文化財コーナーでは、古墳時代の平井遺跡埴輪窯の移築模型や出土品等を、雑賀衆コーナーでは、平井城の模型や雑賀鉢等の複製品を展示しています。

    • その他
    住所
    和歌山市平井72-1
    電話番号
    073-488-9111(平井歴史資料室)
    営業時間
    9:00~17:00
    定休日
    日曜、祝日、12月29日~1月3日休
    料金
    無料
    駐車場台数
    なし

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    車で3分

  • 11. 蓮乗寺20分地図

    れんじょうじ

    由緒書によると、信長による紀州攻めの際に孫一の身を守った阿弥陀如来尊像を祀ったのが同寺の始まりとされています。境内にある「平井孫一郎」と刻まれた供養碑は、孫一本人もしくは縁者のものと伝えられています。

    • 社寺関係
    住所
    和歌山市平井252
    電話番号
    なし
    駐車場台数
    なし

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    車で10分

  • 終点. 阪和道和歌山北IC

秘話

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    秘話 1雑賀衆と韓国との関係

    16世紀末の豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、小説によれば、日本側に大義名分がないとして朝鮮側に鉄砲の技術などを伝えた孫一(雑賀衆の棟梁や有力者が代々継承する名前)の子どもである孫市郎が、朝鮮で「沙也加(さやか)」と呼ばれ将軍になったといわれています。史実は分かりませんが、徳川家康を祀った和歌山市内の紀州東照宮には沙也加顕彰碑が建立されています。

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    秘話 2孫市まつりで往時の活気を味わおう!地図

    和歌山市内に数カ所ある雑賀衆ゆかりの地のひとつで、孫一ゆかりの寺院として親しまれている「本願寺鷺森別院」。毎年3月にはここをメイン会場に、地元有志による孫市の会主催のイベント「孫市まつり」が開催されています。鉄砲演武や雑賀衆武者行列、『雑賀孫市最強伝説』と題した戦国野外劇などが行われています。

    住所
    和歌山市鷺森1
    電話番号
    073-422-4677
    営業時間
    境内自由
    定休日
    境内自由
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    あり

インスタ
映え

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    インスタ映え 1勝ち神様の八咫烏でゲン担ぎ地図

    「矢宮神社」の絵馬は、雑賀衆と八咫烏がモチーフ。境内にも大きな八咫烏命と開運招福が描かれた干支絵馬が。縁起のいい八咫烏は勝負前の神頼みにおすすめ。スマホの待ち受け画像にしてゲン担ぎをしてみては。

    住所
    和歌山市関戸1-2
    電話番号
    073-444-0668
    営業時間
    境内自由
    定休日
    境内自由
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    あり

立ち寄り
スポット

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    立ち寄りスポット 1庄内地図

    しょうない

    山形県・庄内平野の平田牧場で育てたブランド豚を使ったとんかつ専門店。平牧三元豚の特厚ロースカツ膳1600円は、みそ汁、漬物、お替わり自由のごはん、キャベツ付き。自家製とんかつソースやごまドレッシングも美味!

    • 飲食関係
    住所
    和歌山市本町2-1 フォルテワジマ 7F
    電話番号
    073-488-1830
    営業時間
    11:00〜15:00(LO14:00)、17:00〜21:00(LO20:30)
    定休日
    月曜夜休
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 2鷹屋製菓地図

    たかやせいか

    1965年創業の和歌浦名物和歌浦せんべいの老舗。工房併設で、ひとつひとつ手作業で作られています。不老橋など近隣の名所が描かれた焼印が施されたやわらかく素朴な味わいで幅広い年代から支持されています。23枚箱入り370円。

    • お土産処
    住所
    和歌山市和歌浦南2-8-1
    電話番号
    073-448-1617
    営業時間
    8:00〜18:00
    定休日
    水曜休
    駐車場台数
    あり

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