捕鯨といえば太地が有名で、江戸中期の作家・井原西鶴も同地を訪れた際のエピソードを代表作『日本永代蔵』に綴っています。その太地に匹敵するほど栄えた港が三輪崎(新宮市)で、江戸初期には浦方(漁村)の租税が勝浦や太地より多かったほど。捕鯨に関しては寛文元年(1661)までの24年間に羽指(はざし=鯨をモリで突く人)25人、加子(かこ=船乗り)2人が三輪崎から九州・五島列島の近海で捕鯨に従事した記録が残っています。三輪崎浦での本格的な捕鯨は、領主の水野氏が鯨方役所を設けて直接経営するようになった延宝5年(1677)から始まりました。三輪崎の捕鯨集団は「三輪崎組」や「新宮御組」と呼ばれ、主に小鯨を捕獲。港は捕鯨により賑わい、『熊野太地浦捕鯨史』では三輪崎の彦兵衛・勘兵衛がモリ打ちの名手として紹介されたほか、延宝3年(1675)に太地角右衛門を中心に結ばれた突取(つきとり)漁法に関する定書にも、三輪崎の庄屋が加わっています。明治時代に三輪崎の捕鯨は廃れましたが、現在でも鯨踊りが伝承され、毎年9月の三輪崎八幡神社の例祭で奉納されています。捕鯨に関する史跡も残っており、日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財になっています。
モデルコース
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起点. 那智勝浦新宮道三輪崎出入口
徒歩で5分
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1. 羽指中建立の石祠20分地図
はざしなかこんりゅうのせきし
羽指(はざし)とは勇猛果敢に海に飛び込んで追い込まれた鯨に乗り上がり、モリで鯨の急所にとどめを刺す古式捕鯨の花形。この石祠は三輪崎の鯨方の羽指たちが建立したものと考えられ、熊野古道高野坂の道沿いに佇む金光稲荷神社の境内、本殿の右脇にあります。日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財に指定。
- 社寺関係
- 住所
- 新宮市三輪崎
- 電話番号
- 0735-23-3333(新宮市商工観光課)
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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2. 鯨山見跡30分地図
くじらやまみあと
沖を眺める絶好の場所にあり、現在も残る石積みにかつての三輪崎の鯨方山見台の名残がうかがえます。山見台とは鯨を発見したり、全体を見渡して捕鯨の指揮をしたりする重要な場所。ここ以外にも南北にさらに2カ所の山見台があったといいます。日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財のひとつです。
- 絶景
- 住所
- 新宮市三輪崎
- 電話番号
- 0735-23-3333(新宮市商工観光課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- あり
徒歩で5分
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3. 孔島厳島神社の石造物40分地図
くしまいつくしまじんじゃのせきぞうぶつ
三輪崎の沖に浮かぶ孔島にある厳島神社の境内には、鯨方に関連する石造物が残っています。石灯籠は太地鯨方の「角右衛門一類」太地与一頼任が奉納したもの、法華塔は三輪崎鯨方「御組」羽指中彦太夫、新太夫らが建立したものです。鯨方の信仰を物語り、日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財になっています。
- 社寺関係
- 住所
- 新宮市三輪崎
- 電話番号
- 0735-23-3333(新宮市商工観光課)
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- あり
車で5分
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4. 食べ処 益栄丸 番屋60分地図
たべどころ ますえいまる ばんや
とれたての地物が味わえる、漁師直営の店。三輪崎の磯ものは格別と昔から評判で、秋〜冬は伊勢えび、春〜夏はウニとナガレコ(トコブシ)がおすすめ。海鮮焼きなどの漁師料理は浜値で提供しています。
- 飲食関係
- 住所
- 新宮市三輪崎1-15
- 電話番号
- 0735-31-6443
- 営業時間
- 11:00〜14:00
- 定休日
- 日曜、第3月曜休
- 駐車場台数
- P6台
車ですぐ
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5. 三輪崎漁港交流施設30分地図
みわさきぎょこうこうりゅうしせつ
かつて捕鯨がおこなわれていた三輪崎の漁港にある施設。隣接する海水浴場の利用者に向けた更衣室やシャワーのほか、無料で浸かることができる天然温泉の足湯があります。散策の立ち寄りにぴったりです。
- 休憩
- 住所
- 新宮市三輪崎1
- 電話番号
- 0735-23-3351(新宮市農林水産課)
- 営業時間
- 10:00〜16:00
- 定休日
- 保守点検時と悪天候時休
- 料金
- 入場料=無料
- 駐車場台数
- あり
車で5分
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6. 三輪崎八幡神社の石灯籠40分地図
みわさきはちまんじんじゃのせきとうろう
秋の例大祭で和歌山県無形民俗文化財でもある「鯨踊」が奉納される三輪崎八幡神社。その境内、朱塗りの鳥居が立ち並ぶ脇にある太地与一寄贈の古い石灯籠は江戸中期の延享年間(1744〜1748)のもので、「太地与一」という文字がくっきり刻まれています。日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財です。
- 社寺関係
- 住所
- 新宮市三輪崎1512
- 電話番号
- 0735-31-7093
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- あり
車で10分
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7. maffably40分地図
えむあふぁぶりー
オリジナルのアロマオイル「熊野の香り」2600〜3400円は、熊野の大自然に育まれた杉やヒノキ、クロモジなどから手仕事で抽出。ほかに、リラクセーションケアメニューがあるのも注目です。
- お土産処
- 住所
- 新宮市緑ヶ丘3-1-29
- 電話番号
- 0735-22-0662
- 営業時間
- 10:00〜19:00
- 定休日
- 火曜休
- 駐車場台数
- P4台
車で10分
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終点. 那智勝浦新宮道三輪崎出入口
秘話
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秘話 1三輪崎の捕鯨の歴史を伝える鯨踊
「三輪崎八幡神社」では毎年9月に鯨を獲る様子を踊りに仕立てた「三輪崎の鯨踊」が披露されます。約300年前、当時この地の領主だった水野氏が京都の公家に鯨の肉を献上した際に鯨踊として整えたといわれています。和歌山県無形民俗文化財にも指定。
インスタ
映え
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インスタ映え 1自然の宝石箱!孔島・鈴島地図
三輪崎漁港の先にある孔島と鈴島には奇岩怪石が連なっています。孔島にはハマユウなど51科120余種の、鈴島にも62種あまりの植物が群生する自然の宝庫。南紀熊野ジオパークを構成するジオサイトに認定。
- 住所
- 新宮市三輪崎
- 電話番号
- 0735-23-3333(新宮市商工観光課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- あり
立ち寄り
スポット
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立ち寄りスポット 1熊野古道高野坂 地図
くまのこどうこうやざか
熊野古道の中辺路ルートの一部分で、標高差が小さくウォーキング初心者でも気軽にチャレンジできます。道中は苔むした石畳が続くだけでなく、潮風を感じさせる大海原の景色が広がるなど見どころがたくさんあります。
- その他
- 住所
- 新宮市三輪崎
- 電話番号
- 0735-22-2840(新宮市観光協会)
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- なし
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立ち寄りスポット 2浮島の森地図
うきしまのもり
泥炭でできた面積約5000㎡の浮島で、島全体が沼に浮かんでいます。正式名称は「新宮蘭沢(いのさわ)-浮島植物群落」。オオミズゴケなど、約130種の珍しい植物が自生、国の天然記念物にも指定されています。
- 城・庭園・公園・温泉等
- 住所
- 新宮市浮島3-38
- 電話番号
- 0735-21-0474
- 営業時間
- 9:00〜17:00(12〜2月は〜16:00)
- 定休日
- 無休
- 料金
- 入場料=100円
- 駐車場台数
- あり
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立ち寄りスポット 3焼肉ひげ地図
やきにくひげ
和歌山特産の熊野牛を一頭買いし、リーズナブルな価格で提供。ランチの定食は750円〜で、上質なバラ肉を味わえる熊野牛スペシャル定食1500円が一押し。あっさりながらもコクがある自家製タレも相性抜群。
- 飲食関係
- 住所
- 新宮市神倉4-3-19
- 電話番号
- 0735-21-3488
- 営業時間
- 11:30〜14:00(LO13:30)、17:00〜22:00(LO21:30)
- 定休日
- 火曜休
- 駐車場台数
- あり