060補陀落渡海 〜南海の果ての補陀落浄土を目指して〜

  • 東牟婁

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地域
時代

 「補陀落(ふだらく)の海」と呼ばれた、那智勝浦に広がる熊野灘。熊野では海の彼方に理想郷・常世(とこよ)の国があると信じられていましたが、それに観音信仰が結びついて渡海が行われるようになったと考えられています。観音菩薩が降臨する霊場を補陀落といい、そこではすべての者の願いを聞き、救いの手を差し伸べるとされていました。慶竜(けいりゅう)上人が貞観10年(868)に渡海したのが最も古いとされ、その後18世紀初頭まで渡海が続いていたといいます。補陀落渡海の出発地、補陀洛山寺には南方にあるといわれる観音の浄土・補陀落山(ふだらくさん)を目指して全国から多くの僧が集まったと伝えられています。外に出られないように扉をくぎでふさいだ小さな舟に、30日分の食糧と油を積み、呪文を唱えながら伴舟に曳かれて海へと旅立ったといわれています。那智勝浦を訪れると、今も昔と変わらない姿を見せる海が果てしなく広がり、渡海に救いを求めた僧たちが訪れた補陀洛山寺が静かに佇んでいます。太平洋の彼方に希望の光を求め、生きて再び帰ることのない旅に出た人々の信仰とドラマに思いを馳せてみてはいかがでしょう。

images補陀落渡海の出発地であった補陀洛山寺。補陀落とは梵語「Potalaka」の音写といわれ、中国長江河口の普陀山やインド南海岸の海島がそれと想像されていたようです

images渡海船が出帆した那智湾に浮かぶ弁天島。ここからのパノラマは爽快で、那智の滝も眺めることができます

images境内の「渚の森」が美しい熊野三所大神社

images荒々しいお蛇浦から補陀落の海を望みます

モデルコース

  • 起点. 那智勝浦新宮道那智勝浦IC

    車ですぐ

  • 1. 補陀洛山寺40分地図

    ふだらくさんじ

    補陀落信仰の根本道場だった古刹で、4世紀にインドから渡来した裸形(らぎょう)上人による開祖と伝わります。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつで、温雅な表情が美しく、国の重要文化財にも指定される平安時代後期作の三貌十一面千手千眼観世音菩薩がご本尊です。寺の裏山には渡海した上人たちの墓が残されています。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮348
    電話番号
    0735-52-2523
    営業時間
    8:30〜16:00
    定休日
    拝観自由
    料金
    拝観自由
    駐車場台数
    P50台

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    徒歩すぐ

  • 2. 熊野三所大神社20分地図

    くまのさんしょおおみわやしろ

    熊野三所権現を祀る神社で、隣に補陀洛山寺が建つことから神仏習合の痕跡を見ることができます。境内には浜の宮王子の跡と伝わる史跡があることから浜の宮大神社(はまのみやおおみわしろ)とも呼ばれ、中辺路・大辺路の分岐点でもありました。境内の森「渚の森」は名勝地として古来和歌にもよく詠まれています。

    • 社寺関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮350
    電話番号
    0735-52-1646(勝浦八幡神社)
    営業時間
    8:30〜18:00
    定休日
    拝観自由
    料金
    拝観自由
    駐車場台数
    P50台

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    車で3分

  • 3. 金光坊島30分地図

    こんこぶじま

    那智海岸の沖に浮かぶ岩礁。16世紀に補陀洛山寺の住職、金光坊が補陀落渡海の途中で舟から逃げ出してここへたどり着くも捕らえられ、再び舟に乗せられ渡海させられた史実からその名が付けられたといい、この事件は井上靖の小説『補陀落渡海記』にも描かれています。この場所は、那智海水浴場から眺めることができます。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮沖
    電話番号
    0735-52-5311(那智勝浦町観光案内所)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    あり

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    車で5分

  • 4. ステーキハウスひのき60分地図

    すてーきはうすひのき

    1972年創業の鉄板焼ステーキの店。おすすめはハンバーグステーキランチ1800円(税抜き)などで楽しめる、熊野牛100%のハンバーグ。熊野牛のステーキのほか、マグロなど勝浦の海の幸も味わえます。

    • 飲食関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町築地1-1-13
    電話番号
    0735-52-5550
    営業時間
    11:30〜14:00 17:00〜21:00
    定休日
    月曜休
    駐車場台数
    P4台

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    車で5分

  • 5. お蛇浦60分地図

    おじゃうら

    南紀熊野ジオパークの見どころのひとつ。波に浸食された巨岩は大自然のアート! 地下から地層を突き破って出てきた泥が凝固した泥ダイアピルと呼ばれる岩など、自然の威力と神秘を感じられます。蛇にまつわる伝説も。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦
    電話番号
    0735-52-5311(那智勝浦町観光案内所)
    営業時間
    見学自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    あり

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    徒歩ですぐ

  • 6. 熊野カフェ60分地図

    くまのかふぇ

    那智湾を一望、那智の滝まで眺めることができる絶景カフェ。ガトーショコラ500円は手作りで舌触りがよく、すっきりとした甘さ。パノラマと潮風のデッキで優雅なティータイムをどうぞ。

    • 飲食関係
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦1069-1
    電話番号
    0735-30-4244
    営業時間
    7:00〜17:00 19:00〜22:00
    定休日
    木曜休
    駐車場台数
    P10台

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    徒歩ですぐ

  • 7. 弁天島30分地図

    べんてんじま

    白蛇弁天が祀られていることから「弁天島」といい、岩山の麓の鳥居が目印。普段は海に浮かんでおり「那智勝浦のモン・サン・ミッシェル」とも呼ばれていますが、干潮時には歩いて渡ることができます。磯遊びや生物観察もでき、海の自然に親しむことができるスポットです。

    • 絶景
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦
    電話番号
    0735-52-5311(那智勝浦町観光案内所)
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    あり

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    車で10分

  • 終点. 那智勝浦新宮道那智勝浦IC

秘話

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    秘話 1補陀落渡海船のレプリカ地図

    「補陀洛山寺」には補陀落渡海船の実物大レプリカが展示されています。これは『那智参詣曼荼羅』をもとに1993年に復元されたもの。入母屋造りの屋形船で、発心門、修行門、菩薩門、涅槃門の鳥居を四方に配しています。

    住所
    東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮348
    電話番号
    0735-52-2523
    営業時間
    8:30〜18:00
    定休日
    拝観自由
    料金
    拝観自由
    駐車場台数
    P50台

インスタ
映え

  • images

    インスタ映え 1南紀の空に映える愛らしい教会地図

    ハマボウが自生する小川沿いに建つ「日本基督教団紀南教会」は、西村伊作の設計。大正14年(1925)築で、ほぼ当時の姿をとどめている貴重な建築。シンプルでかわいいフォルムで、上から見ると十字架の形をしているとか。

    住所
    東牟婁郡那智勝浦町下里930-1
    電話番号
    0735-58-0163
    営業時間
    9:00〜17:00
    定休日
    見学自由
    駐車場台数
    P4台

立ち寄り
スポット

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    立ち寄りスポット 1ヤマサ脇口水産 那智勝浦宇久井直売所地図

    やまさわきぐちすいさん なちかつうらうくいちょくばいしょ

    生マグロ水揚げ量日本一を誇る那智勝浦町で、マグロの仲卸業を営むヤマサ脇口水産の直売店。生マグロをはじめ、天然国産クロカジキを使用した海の生ハム540円(前日までに電話にて要予約)を販売しています。

    • お土産処
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町宇久井1058-5
    電話番号
    0735-54-2001
    営業時間
    8:00〜17:00
    定休日
    火曜休、不定休あり
    駐車場台数
    あり
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    立ち寄りスポット 2天然温泉公衆浴場 はまゆ地図

    てんねんおんせんこうしゅうよくじょう はまゆ

    地元の人たちも愛する、天然温泉の公衆浴場。かけ流しで加温もなし、涌いたままの湯が楽しめます。良質の硫黄泉は体の芯からあたたまり、湯上がりはお肌がツルツルに。目の前の港にまで湯の香が漂います。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦970
    電話番号
    0735-52-1201
    営業時間
    15:00〜22:00
    定休日
    毎月7・22日
    料金
    入浴料=320円
    駐車場台数
    なし
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    立ち寄りスポット 3脇仲倶楽部 入船館地図

    わきなかくらぶ いりふねかん

    かつて八百屋だった空き店舗を地元有志が改装し、マグロ船の櫂や大漁旗、勝浦の古い写真などを展示。漁業の町として栄えた勝浦の歴史の一端に触れることができます。ビン玉の縄編み体験なども可(要予約)。

    • 休憩
    住所
    東牟婁郡那智勝浦町勝浦492
    電話番号
    0735-52-0034(脇仲倶楽部事務局)
    営業時間
    9:00〜17:00
    定休日
    無休
    料金
    入館料=無料
    駐車場台数
    なし

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