「勧進帳」や「船弁慶」をはじめ、歌舞伎や人形浄瑠璃などでもその名を知られる武蔵坊弁慶。怪力・豪傑の代表格として語られることも多いですが、実像は分かりません。しかし京都・五条大橋での義経との出会いや仁王立ちでの壮絶な最期など、多くの逸話に垣間見えるその奥深い人間性は、後世を生きる人々の心を惹きつけています。弁慶は田辺市で出生したという説が有力視されており、父は21代熊野別当・湛増(たんぞう)、母は二位大納言の姫とされ、幼名を鬼若といいました。田辺を出た彼は比叡山へと修行に出向き、山を下りる際に自ら付けたのが、現在一般的に知られている武蔵坊弁慶という名前です。田辺市内に残る足跡の多くは、出生の地、産湯の井戸、幼少時に腰かけた石など、彼が鬼若と称された時代のものだと伝えられています。田辺をめぐれば、豪胆かつ義理に厚い弁慶の人柄を形成した、いわばルーツを触れることができるのです。父・湛増が、源平どちらに味方するかを闘鶏で決めたと伝わる闘鷄神社なども合わせて訪れることで、弁慶が背負っていた「宿命」を、より大きな文脈の中で感じ取れるかもしれません。
モデルコース
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起点. JR紀伊田辺駅
徒歩ですぐ
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1. 弁慶像10分地図
べんけいぞう
JR紀伊田辺駅を出てすぐ左手。ロータリー内に武蔵坊弁慶の銅像が仁王立ちしています。1971年に建てられた像は、高さ3m、重さ2tという圧巻の大きさ。田辺市を訪れる観光客たちを力強い姿で迎えてくれます。
- その他
- 住所
- 田辺市湊1
- 電話番号
- 0739-26-9929(田辺市観光振興課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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2. 闘雞神社(弁慶社)60分地図
とうけいじんじゃ
弁慶の父と伝わる熊野別当・湛増が壇ノ浦の合戦に際し、この地で源氏と平氏どちらに付くかを紅白の闘鶏で占ったとされ、この逸話が名の由来にもなっています。境内の一角には弁慶を祭神とする「弁慶社」も。神社会館1階では、湛増の鉄扇や弁慶が使ったとされる産湯の釜、源義経から授かったとされる横笛などを展示。
- 社寺関係
- 住所
- 田辺市東陽1-1
- 電話番号
- 0739-22-0155
- 営業時間
- 社務所8:30〜17:30
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P100台
徒歩ですぐ
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3. 大福院10分地図
だいふくいん
熊野別当・湛増が開いたとされる真言宗派の寺院跡。平安末期の創建当時は広大な敷地だったようですが、天正13年(1585)、秀吉の紀州攻めで大部分が焼失。現在はお堂ひとつと、「武蔵坊弁慶出生の地」の碑があります。
- 社寺関係
- 住所
- 田辺市湊27-36
- 電話番号
- 0739-26-9929(田辺市観光振興課)
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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4. 菓匠 二宮20分地図
かしょう にのみや
昭和初期創業の和菓子店では、闘雞神社のエピソードにちなんだ「闘鶏まんじゅう」をお土産に。柚子餡、梅庵入りの2種類で上品な味わいです。箱を土俵に紙相撲で遊べるのも楽しみです。9個入りで1440円。
- お土産処
- 住所
- 田辺市下屋敷町27
- 電話番号
- 0739-22-1001
- 営業時間
- 9:00〜18:00(喫茶は〜LO16:30)
- 定休日
- 水曜、月1回火曜
- 駐車場台数
- P5台
徒歩で10分
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5. 弁慶松、産湯井戸15分地図
べんけいまつ、うぶゆいど
弁慶の出生を記念して植樹されたとされる松。田辺市片町にあった5代目は1975年に枯死しましたが、その種子から育てた6代目弁慶松が、田辺市役所の駐車場に植えられています。近くには1960年まで田辺第一小学校内にあった「弁慶の産湯井戸」も移設されていて、弁慶の産湯も汲まれたであろう当時の井戸様式が復元されています。
- その他
- 住所
- 田辺市新屋敷町1
- 電話番号
- 0739-26-9929(田辺市観光振興課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 散策自由
- 駐車場台数
- あり(田辺市庁舎駐車場)
徒歩で10分
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6. 八坂神社20分地図
やさかじんじゃ
地元で「ぎおんさん」と呼び親しまれている八坂神社の境内片隅に「弁慶腰掛の岩」があります。表面のくぼみは、弁慶が幼少の頃に腰を掛けた際にその重みで凹んだ跡なのだとか。この地では最近まで男の子が生まれると、「弁慶のさんように立派に育ちますように」との願を掛けてこの岩に座らせる風習があったといいます。
- 社寺関係
- 住所
- 田辺市中屋敷町 2
- 電話番号
- 0739-26-9929(田辺市観光振興課)
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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7. 海蔵寺(弁慶観音)40分地図
かいぞうじ(べんけいかんのん)
慶長10年(1605)に田辺領主が建立した古刹には「弁慶観音」と呼ばれる木造観音像が安置されています。寺伝によると、湛増が源平合戦・壇ノ浦の戦いの際に像を軍船に安置して戦勝を期したのだとか。県の指定文化財で普段は写真パネルのみが展示されていますが、毎年5月18日の1日のみ御開帳され、多くの観光客を集めています。
- 社寺関係
- 住所
- 田辺市南新町20
- 電話番号
- 0739-22-0702
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P10台
徒歩で5分
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8. 銀ちろ本店60分地図
ぎんちろほんてん
1959年創業の田辺を代表する老舗料理店。全席個室で、郷土の味がゆっくりと堪能できます。一番人気のさざなみ弁当1944円は、釜揚げしらすご飯に、地魚のお造り3種などが付く大満足の内容です。
- 飲食関係
- 住所
- 田辺市湊12-39
- 電話番号
- 0739-22-3960
- 営業時間
- 11:00〜14:00、16:30〜21:00(LO20:30)
- 定休日
- 不定休
- 駐車場台数
- あり(提携駐車場)
徒歩で5分
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9. 鈴屋菓子店20分地図
すずやかしてん
弁慶が生まれた時に産湯を沸かした「弁慶の釜」にちなみ、昭和27年(1952)に発売された老舗のロングセラー。3個594円。釜に見立てた最中が上下2つに分かれていて、上部には柚子餡、下部には粒餡が詰められています。
- お土産処
- 住所
- 田辺市湊15-11
- 電話番号
- 0739-22-0436
- 営業時間
- 8:00〜18:00
- 定休日
- 無休
- 駐車場台数
- なし
徒歩ですぐ
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終点. JR紀伊田辺駅
秘話
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秘話 1弁慶は生まれた時から歯が生え揃っていた!?
巨躯で知られた弁慶は、母の胎内に3年間もいたという伝説も残されています。生まれた際には前歯だけでなく奥歯まで生えそろっており、髪の毛も長く伸びていたのだとか。この様子から「鬼若」という幼名が付けられたといいます。
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秘話 2多くの人出でにぎわう毎月第3日曜の「弁慶市」地図
毎月第3日曜に「闘鷄神社」の馬場で開催されている、紀州田辺の名物朝市「弁慶市」。江戸時代中頃より田辺片町のお堀端で開かれていた「六斉市(ろくさいいち)」の通称「弁慶市」を再現したもの。市では40〜50店が軒を連ね、紀南の海の幸や山の幸が販売されています。
- 住所
- 田辺市東陽1-1
- 電話番号
- 0739-25-8230(南紀みらい株式会社)
- 営業時間
- 8:00〜12:00
- 定休日
- 毎月第3日曜のみの開催
- 料金
- 入場無料
- 駐車場台数
- あり
インスタ
映え
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インスタ映え 1鈴屋菓子店「デラックスケーキ」の包装紙地図
立方体の銀紙に包まれたデラックスケーキ3個702円は、味はもちろん見た目もかわいい。ほぼ創業当時のままのデザインにひと目惚れして購入する人も多いのだとか。ケーキとともに撮影を。
- 住所
- 田辺市湊15-11
- 電話番号
- 0739-22-0436
- 営業時間
- 8:00〜18:00
- 定休日
- 無休
- 駐車場台数
- なし
立ち寄り
スポット
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立ち寄りスポット 1宝来寿司地図
ほうらいずし
田辺湾特産の海藻・ひとはめでシメサバを包んだひとはめ寿司648円が名物。酢飯に赤シソを混ぜ込み、風味豊かに仕上げています。県内で水揚げされた鮮魚を堪能できる、かつおと釜揚げしらすのづけ丼ずし1080円もぜひ。
- 飲食関係
- 住所
- 田辺市湊18-12
- 電話番号
- 0739-22-0834
- 営業時間
- 10:00〜21:00
- 定休日
- 月曜休
- 駐車場台数
- あり