鰹節は日本人にとって馴染み深い食材です。カツオの加工品は古くからあったようですが、今に伝わる鰹節が出回るようになったのは江戸時代の中期頃。製法を発明したのは、印南の漁民であった角屋甚太郎(かどやじんたろう)といわれています。甚太郎は印南と土佐を股にかけて漁を行い、魚が傷みやすい初夏から秋にかけてはカツオが大量に釣れるので、保存するために煮て乾かしていたそうです。甚太郎はそこに、煙で燻すという工程を付け加え、延宝2年(1674)に「燻乾法(くんかんほう)」を開発。その後、息子の2代目甚太郎が試行錯誤を続け、青カビをつけて日光乾燥を繰り返す「燻乾カビ付け法」による固乾改良土佐節を編み出しました。甚太郎親子が考案した鰹節の製法は、同じく印南漁民である森弥平兵衛と印南與市(通称・土佐與市)により、枕崎、南房総、西伊豆に伝授され、その後全国に伝わったといわれています。現在の印南町では鰹節製造は行っていませんが、日本全国で作られ続けています。彼ら印南漁民の活躍なくしては、和食が世界遺産に認定されることもなかったかもしれません。鰹節発祥の地・印南に残る、彼らゆかりの地をめぐれば、和食への造詣もより深くなるでしょう。
モデルコース
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起点. 阪和道印南IC
車で5分
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1. 印定寺20分地図
いんじょうじ
鰹節の考案者・角屋甚太郎の位牌を祀る寺院。甚太郎の子孫にあたる甚三郎には与市という一人息子がいましたが、奉公人のヲサナと恋仲になり、身分違いの恋に悩んだ末に心中してしまいます。世をはかなんだ甚三郎は財産を印定寺に寄進、船団を率いて土佐に移住。同地でもカツオの漁法と鰹節の製法発展に尽力したといわれています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡印南町印南2259
- 電話番号
- 0738-42-0147
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- あり
徒歩ですぐ
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2. 住吉社20分地図
すみよししゃ
航海の安全を守る海の神として、全国で信仰を集める住吉大神。印定寺の本堂裏手にも、住吉社が鎮座しています。鰹節製法を考案した角屋甚太郎の子孫や、伝授者のひとりである森弥兵平衛にゆかりが深いといわれています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡印南町印南2258-1
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
車で5分
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徒歩ですぐ
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4. 印南漁民顕彰碑10分地図
いなみぎょみんけんしょうひ
江戸時代、鰹節の製造に功績を遺した3人の印南漁民を讃える記念碑。鰹節の始祖である角屋甚太郎、鹿児島・枕崎に製法を伝えた森弥兵衛、房総・伊豆に伝えた印南与市の名前が刻まれています。碑の前にある、土佐清水市や銚子市等々、印南漁民三人衆活躍地の海岸の石にも注目を。
- その他
- 住所
- 日高郡印南町印南4485-34(印南浜公園)
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町企画産業課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- あり
車で5分
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5. 切目王子跡地図
きりめおうじあと
九十九王子の中でも格式高い五躯王子の一つ。
- その他
- 住所
- 日高郡印南町西ノ地328(切目神社)
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町企画産業課)
- 営業時間
- 見学自由
- 駐車場台数
- あり
車で5分
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6. 花風50分地図
はなふう
一番人気は、南紀田辺の漁港からその朝仕入れた魚で作るお造り定食が美味。窓外に広がる太平洋を眺めながら、旬の味を満喫してください。そのほか4種類のエビを食べ比べできる海老刺身定食もおすすめです。
- 飲食関係
- 住所
- 日高郡印南町島田2156-7
- 電話番号
- 0738-43-8111
- 営業時間
- 11:00〜19:30
- 定休日
- 木曜休
- 駐車場台数
- P25台
車で8分
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7. 要害城史跡 40分地図
ようがいじょうしせき
室町幕府の奉公衆で、紀伊国日高を中心に勢力を広げていた湯川氏。かつての印南町には、12代直光の弟・湯川右衛門太夫の居城がありました。当時の水軍が豊臣方に敗北し、その後漁師になったといいます。居城跡地には石碑が立てられてあり、高台にあるため印南漁港が一望できます。
- その他
- 住所
- 日高郡印南町印南1866-2
- 電話番号
- 0738-42-1737(印南町企画産業課)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩ですぐ
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8. 西山蒲鉾店20分地図
にしやまかまぼこてん
大正14年(1925)創業。地元の港から仕入れた魚で作る昔ながらの蒲鉾店。お土産には、こんがり焼き目のついたなんば焼と、甘辛いごぼうの味が後を引くごぼう巻をぜひどうぞ。
- お土産処
- 住所
- 日高郡印南町印南1717
- 電話番号
- 0738-42-0033
- 営業時間
- 9:00〜18:00
- 定休日
- 水曜休
- 駐車場台数
- 3台
徒歩ですぐ
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9. ダルマ醤油店20分地図
だるましょうゆてん
鰹節の始祖・角屋甚太郎の13代目にあたる店主が造る、創業100年の老舗。定番のこいくち醤油はほんのり甘口で、刺し身にもぴったり。角屋甚太郎が土佐に伝えた鰹節とダルマ醤油がセットになった、簡単にだし醤油が作れる「甚太郎ロマン」も人気。
- お土産処
- 住所
- 日高郡印南町印南2274-5
- 電話番号
- 0738-42-0031
- 営業時間
- 8:00〜20:00
- 定休日
- 不定休
- 駐車場台数
- 4台
車で5分
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終点. 阪和道印南IC
秘話
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秘話 1もともとは門外不出だった鰹節製法
鰹節の製造法は秘法であり、土佐や紀伊の一部でのみ作られていました。18世紀後半にその禁を破って安房に製法を伝えたのが、印南浦の鰹節職人であった与市(よいち)。その後、伊豆にも招かれて伝授したといいます。鰹節の製法が全国に伝わったのは、この功績によるところが大きいと考えられています。
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秘話 2江戸時代の武士が鰹節を好んだワケ
鰹節は「勝男武士」の字を当てて縁起物ともされています。そのため、江戸時代には武士たちに大変好まれていました。現在でも結婚の結納品のひとつとして鰹節を用いるのは周知の通りです。
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秘話 3高級わさびのルーツも印南町にあり
印南町は鰹節だけでなく、国産本わさびのなかでも最高峰とされる品種「真妻(まづま)わさび」の発祥地でもあります。「真妻」は町内を流れる切目川上流の旧地名で、現在の川又地区。同地では明治時代からわさびの栽培が始められましたが、1950年代から旧真妻村議が栽培を奨励した品種が真妻わさびの起源だといわれています。
インスタ
映え
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インスタ映え 1菜の花越しに撮るかえる橋地図
赤い親ガエルが黄色の子ガエルを背負ったユニークな「かえる橋」は、1995年に建設された印南町のランドマーク。春には川辺が菜の花畑になるため、抜群のインスタ映えスポットに。
- 住所
- 日高郡印南町
- 電話番号
- 0738-42-0120(印南町役場)
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 見学自由
- 料金
- 見学自由
- 駐車場台数
- なし