興国寺は鎌倉幕府3代将軍・源実朝が、建保7年(1219)に暗殺された後、安貞元年(1227)に、家臣・葛山景倫(かずらやまかげとも)がその菩提を弔うために創建した名刹。景倫は実朝の命を受け、宋の山々の絵図を写すため博多で風待ちをしていたところ、実朝暗殺の報せが届きました。それを聞いた景倫は宋への渡航を取りやめ、剃髪して「願性(がんしょう)」と称して高野山に入ります。この出家を知った実朝の母・北条政子は、願性の生活費として日高郡の由良荘地頭職を与え、願性は同荘内に西方寺を創建。その後、西方寺は宋から帰国した僧・覚心を招いて臨済禅寺院となり、南北朝時代に後村上天皇より「興国寺」の寺号が与えられるなど、時の権力者の庇護を受けながら発展を遂げました。興国寺にとっての最大の危難は、天正13年(1585)の秀吉による紀州攻め。これによって寺院建築の大半が失われました。現在の興国寺の法堂・伽藍・鐘楼・書院などは、慶長6年(1601)に当時の紀州藩主浅野幸長により再建されたものです。静かな日高の山々にそびえる見事な伽藍の数々。興国寺と共に由緒ある神社や歴史・伝承のロマン薫る史跡に思いを馳せてみましょう。
モデルコース
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起点. 湯浅御坊道路広川IC
車で15分
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1. 興国寺・天狗堂60分地図
こうこくじ・てんぐどう
源実朝の菩提を弔うために建立された西方寺が前身であり、その後、宋から帰国した覚心が禅宗に改めました。虚無僧や普化尺八の発祥の地として知られています。また、火災で焼失した伽藍を一夜にして建て直したという天狗伝説も残っており、天狗堂には、高さ2.4m、幅2.7mの巨大なお面が祀られています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡由良町門前801
- 電話番号
- 0738-65-0154
- 営業時間
- 日の出〜日没
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P約10台
車で10分
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2. 宇佐八幡神社30分地図
うさはちまんじんじゃ
応神天皇御由緒の地として開かれた神社で、境内の楠の巨木がご神木として親しまれています。秋に行われる「由良祭」と呼ばれる神事は、多くの人々で賑わいます。創建には興国寺も関わっており、法燈国師(覚心)による扁額も伝わるほか、修復、再建した際の棟札にも興国寺住職の文字が残っています。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡由良町里169
- 電話番号
- 0738-65-2784
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩すぐ
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3. 平岩10分地図
ひらいわ
神功皇后が朝鮮半島出征から帰途で嵐に遭い、幼子であった後の応神天皇とともにこの地に上陸。ここに舟を繋いだとされます。かつてはここに宇佐八幡神社があり、現在も祭りの際にはこの平岩まで渡御列が立ち寄ります。
- その他
- 住所
- 日高郡由良町里
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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4. 菓匠 錦花堂20分地図
かしょう きんかどう
こし餡入りの求肥餅を麩焼きせんべいで挟んだ天狗力餅1個125円は、和歌山を代表する銘菓のひとつ。上品な甘さが日本茶によく合います。由良町に鎮座する興国寺の天狗伝説にちなんで名付けられたのだそう。
- お土産処
- 住所
- 日高郡由良町里1356
- 電話番号
- 0738-65-0072
- 営業時間
- 8:30〜18:30(日曜は〜16:00)
- 定休日
- 月曜
- 駐車場台数
- なし
徒歩で5分
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5. 御殿井戸10分地図
ごてんいど
紀州藩初代藩主徳川頼宣が、寛文6年(1666)に建設した別邸・網代(あじろ)御殿の敷地内にあった井戸。延宝2年(1674)に別邸は撤廃されて、現在は井戸のみがこの地に残されています。
- その他
- 住所
- 日高郡由良町網代114
- 営業時間
- 散策自由
- 定休日
- 散策自由
- 料金
- 散策自由
- 駐車場台数
- なし
車で5分
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6. コーヒー&お好み焼き 大川50分地図
こーひー&おこのみやきおおかわ
お好み焼きから喫茶メニューまでそろう食堂。特筆すべきはちゃんぽん700円。通常、ちゃんぽんはサラリとした白濁スープですが、こちらは醤油味でとろみがついた独特の味。野菜たっぷりでボリュームも満点です。
- 飲食関係
- 住所
- 日高郡由良町吹井252-27
- 電話番号
- 0738-65-2172
- 営業時間
- 10:00〜22:00
- 定休日
- 水曜、第3火曜
- 駐車場台数
- P3台
車で10分
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7. 衣奈八幡神社30分地図
えなはちまんじんじゃ
貞観2年(860)創建の古社。神功皇后が三韓征伐の帰途、紀伊水門に船を停泊させた際に土豪岩守(いわもり)が誉田別命(ほんだわけのみこと)を迎え入れ、行宮(仮宮)を設けた地が現在の衣奈八幡神社。室町時代からは亀山城主・湯川氏の崇拝を受け栄えましたが、秀吉の紀州攻めで焼失。徳川頼宣により再建されました。
- 社寺関係
- 住所
- 日高郡由良町衣奈669
- 電話番号
- 0738-66-0168
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P3台
車で10分
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8. 戸津井鍾乳洞30分地図
とついしょうにゅうどう
2億5000万年前のペルム紀にできた石灰洞穴。元々は石灰の採石場でしたが、のちに鍾乳洞として整備されました。足を踏み入れると涼やかな空気の中ライトアップされた鍾乳石が並ぶ、冒険の世界が目の前に!
- 絶景
- 住所
- 日高郡由良町戸津井646
- 電話番号
- 0738-66-0406
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 定休日
- 月〜金曜休(祝日、町内小中学校の長期休み中は開園)
- 料金
- 入場料=200円
- 駐車場台数
- あり
車で20分
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終点. 湯浅御坊道路広川IC
秘話
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秘話 1興国寺の天狗地図
「興国寺」に残るいくつかの天狗伝承。そのひとつに、火災で伽藍を失い、住職らが困っていたところ旅の僧がやってきて一夜にして伽藍を建てて直しました。人びとはこれを見て赤城山の天狗の力に違いないと喜んだというものがあります。
- 住所
- 日高郡由良町門前802
- 電話番号
- 0738-65-0154
- 営業時間
- 日の出〜日没
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P30台
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秘話 2興国寺が生んだ2つの文化地図
「興国寺」は普化尺八を吹く虚無僧(こむそう)発祥の地であり、また金山寺味噌とそこから生まれた醤油の発祥の地ともいわれています。これらは共に初代の住職・覚心が中国の宋で学んだ事物を広めた結果といわれています。
- 住所
- 日高郡由良町門前802
- 電話番号
- 0738-65-0154
- 営業時間
- 日の出〜日没
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- P30台
インスタ
映え
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インスタ映え 1衣奈八幡周辺の絶景地図
「衣奈八幡神社」周辺の木々の切れ間からはミニチュアのような衣奈の町と漁港の景色が広がります。道の角度によって多彩な表情を見せてくれるので、ドライブがてらベストショットが狙えるスポットを探して!
- 住所
- 日高郡由良町衣奈669
- 電話番号
- 0738-66-0168
- 営業時間
- 境内自由
- 定休日
- 境内自由
- 料金
- 境内自由
- 駐車場台数
- なし
立ち寄り
スポット
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立ち寄りスポット 1白崎海洋公園地図
しらさきかいようこうえん
1960年代までセメント会社が石灰石の採掘を行なっていた白崎鉱床(こうしょう)。閉山後、平成に入って整備が始まり、現在はダイビング施設やキャンプ場を備えた公園に。展望台からは360度のパノラマビューが楽しめます。
- 城・庭園・公園・温泉等
- 住所
- 日高郡由良町大引960-1
- 電話番号
- 0738-65-0125
- 営業時間
- 見学自由
- 定休日
- 施設により異なる
- 料金
- 入園料=無料 ※有料施設あり
- 駐車場台数
- あり
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立ち寄りスポット 2白崎クルーズ地図
しらさきくるーず
地元の漁師が案内する海上の絶景ポイント。波に侵食された石灰岩を間近で見ることができるのは、小回りがきく漁船ならでは。3〜7月にはウミネコの餌やりも体験できます。大海原に乗り出す爽快感がクセになりそう。
- 体験
- 住所
- 日高郡由良町小引434-2
- 電話番号
- 0738-65-1123
- 営業時間
- 事前予約が必要
- 料金
- 乗船料=Aコース(30分)1500円、Bコース(60分)1800円
- 駐車場台数
- あり
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立ち寄りスポット 3ボートカフェ 衣奈マリーナ地図
ぼーとかふぇ えなまりーな
貸しボートのマリーナをリノベーションしたカフェ。目の前の太平洋を眺めながら、焼きたてのシュー生地にアイスを乗せたダッチベイビー850円や、石窯で焼いた熱々のピザをどうぞ。テラス席は夕暮れ時も最高。
- 飲食関係
- 住所
- 日高郡由良町衣奈1069
- 電話番号
- 080-4980-1180
- 営業時間
- 12:00〜18:30(夏季は〜19:00、LOは閉店の30分前)
- 定休日
- 木・金曜休
- 駐車場台数
- あり