091有吉佐和子の代表作、小説『紀ノ川』の舞台を歩く

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 有吉佐和子の代表作『紀ノ川』は、紀州を舞台にした小説。旧家に生まれ、明治から第二次大戦後まで生きた、3世代の女性を描いた作品です。佐和子自身が和歌山出身であることから、紀州の情景が非常に繊細に表現されています。たとえば主人公・花が紀の川を下り嫁ぐ場面では、万葉和歌に詠まれた名所「妹山・背山」を眺める描写があります。また高野山麓の「慈尊院」も登場、主人公らが自分の乳房型絵馬を献上し、安産を祈る様子も印象的です。ちなみに登場人物も、政治家だった祖父を花の夫のモデルにするなど、自身を取り巻く人物が作品に影響を与えています。佐和子自身はといえば、和歌山を故郷に持ちながらも転勤の多かった父親に付いて各地を転々とする幼少期を過ごしました。多感な年頃の体験が故郷へ想いを募らせ、紀州を舞台にしたこの物語を生んだのかもしれません。『紀ノ川』は後に映画化され、紀州の大庄屋の屋敷「桃源の郷 宮折 耕心院」や「和歌山城」などがロケ地となります。紀の川の流れと共に強くたくましく生きた女性たちの物語と、その生き様を見事に紡いだ佐和子に想いを馳せつつ、風情ある紀州で物語の舞台をめぐってみてはいかがでしょう。

images映画『紀ノ川』で花の嫁入りシーンが撮影された紀州の大地主庄屋・津田家の屋敷。敷地面積約1800坪の大邸宅からは、美しい日本庭園を見ることができます

images万葉時代に数々の和歌が詠まれた背山と妹山。作中で花が船で紀の川を下りながら眺める描写があります

images作中でたびたび登場する慈尊院の乳房型絵馬

images花が嫁いだ真谷家のある六十谷の風景

モデルコース

  • 起点. 京奈和道高野口IC

    車で5分

  • 1. 慈尊院30分地図

    じそんいん

    弘法大師空海が高野山開創の際に高野政所を置き、高野山への宿泊所とした場所。当時、高野山は女人禁制で、山麓の当院までなら参拝が許されたことから「女人高野」と呼ばれています。作中では主人公・花が自分の乳房型絵馬を献上、安産を祈った場所として描かれており、現在も子宝や安産、病気平癒祈願で多くの女性が訪れます。

    • 社寺関係
    住所
    伊都郡九度山町慈尊院832
    電話番号
    0736-54-2214
    営業時間
    8:00~17:00
    定休日
    無休
    料金
    境内自由
    駐車場台数
    P5台

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    車で15分

  • 2. 妹山・背山30分地図

    いもやま・せやま

    紀の川を挟んで、道の駅 紀の川万葉の里から右手に背山、左手に妹山が見えます。この2つに愛しい人への想いを重ねて万葉時代に数々の和歌が詠まれました。花が紀の川を下り嫁ぐ道中、船から眺める描写があります。 ※妹山の場所は諸説あります。

    • 絶景
    住所
    伊都郡かつらぎ町窪
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    徒歩ですぐ

  • 3. 道の駅 紀の川万葉の里20分地図

    みちのえき きのかわまんようのさと

    高野山麓にある道の駅。物販所では地元産の柿やミカンといった新鮮な果物や野菜のほか、柿酢1300円や柿の葉ずし1080円などを販売。食事処も併設、散策途中の休憩やお土産の購入などに立ち寄るのもおすすめです。

    • お土産処
    住所
    伊都郡かつらぎ町窪487-2
    電話番号
    0736-22-0055
    営業時間
    8:30~18:00(11~2月は~17:00)、レストランは10:00~18:00(11~2月は~17:00)
    定休日
    無休
    駐車場台数
    P67台

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    車で20分

  • 4. 自然薯茶屋からびな60分地図

    じねんじょちゃやからびな

    映画『紀ノ川』のロケ地になった「桃源の郷 宮折 耕心院」の敷地内、かつて蔵であった場所を改装してオープン。無農薬の自然薯を使った本日のランチセット1300円など、地産地消の体に優しい手作りメニューが揃います。

    • 飲食関係
    住所
    紀の川市桃山町調月331
    電話番号
    0736-79-3559
    営業時間
    11:00~16:00(L.O.15:00)
    定休日
    水曜休(祝日の場合は翌日休)
    駐車場台数
    P10台

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    徒歩ですぐ

  • 5. 桃源の郷 宮折 耕心院60分地図

    とうげんのさと みやおり こうしんいん

    映画のロケ地となった紀州の大庄屋・津田家の屋敷。白無垢を着た花の嫁入りシーンが撮影されました。敷地面積約1800坪の各所に造られた美しい庭園と、総部屋数25室、蔵4棟の大邸宅です。築400年以上の趣深い建物には屋久杉などの希少な材木が使われ、天井や柱、窓枠などの随所に伝統文化を感じる職人細工が施されています。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    紀の川市桃山町調月331
    電話番号
    090-5648-8927
    営業時間
    11:00~17:00(最終入園16:00) 要予約
    定休日
    水曜休(祝日の場合翌日休)
    料金
    見学料=500円
    駐車場台数
    P15台

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    車で30分

  • 6. 六十谷の風景20分地図

    むそたのふうけい

    花が嫁いだ真谷家のある和歌山市六十谷。紀の川下流に位置し、花は生涯のほとんどをこの地で暮らしました。作中ではこの辺りにある大同寺にお参りに行く場面が描かれています。

    • その他
    住所
    和歌山市六十谷
    営業時間
    散策自由
    定休日
    散策自由
    料金
    散策自由
    駐車場台数
    なし

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    車で20分

  • 7. 和歌山城30分地図

    わかやまじょう

    紀州徳川家の居城。和歌山の中心に位置し、戦災で焼失した天守閣は、昭和33年(1958)に再建されました。『紀ノ川』は、華子が再建直後の天守閣に登り、祖母花と母文緒の人生に思いを馳せながら、紀ノ川を眺める場面で終わっています。北側には紀の川が流れ、かつては天然の堀になっていたとも。江戸時代初期に作庭された池泉回遊式の名勝・西の丸庭園は、秋頃の紅葉が見事です。

    • 城・庭園・公園・温泉等
    住所
    和歌山市一番丁3
    電話番号
    073-435-1044(和歌山城整備企画課)
    営業時間
    天守閣9:00~17:30(最終入館17:00)※公園内見学自由
    定休日
    12月29~31日休
    料金
    入場料=410円
    駐車場台数
    P58台

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    車で15分

  • 終点. 京奈和道岩出根來IC

秘話

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    秘話 1物語を彩った有吉佐和子の生い立ち

    佐和子の幼少期は、父の仕事の関係で海外を含め各地を転々として過ごしました。多感な年頃のこの体験が、故郷への強い想いへと変わっていったのでしょう。佐和子の小説には、紀州の風物詩や人情、紀北地方の優美な方言が登場します。昭和41年(1966)に松竹で映画化した際には、主人公の花役を司葉子が演じています。

インスタ
映え

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    インスタ映え 1福を招くといわれる冬の紅葉が美しい縁起物地図

    桃と植木の町として知られる紀の川市桃山町をドライブしていると、道の脇に一面に広がる「オタフクナンテン」を発見。主に園芸用の植物で、霜に当たると真っ赤に紅葉します。近くの桃山町植木組合に出荷されるものだそう。

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    インスタ映え 2散歩道から望む万葉人が想いを馳せた情景地図

    「道の駅 紀の川万葉の里」のすぐ脇に紀の川が流れており、南側の散歩道から眺めることができます。川のそばまで降りて道の駅の方へ振り返ると、広がる青空が。万葉人が郷愁を詠んだ自然豊かな情景が広がっています。

    住所
    都郡かつらぎ町窪
    電話番号
    0736-22-0055
    営業時間
    8:30~18:00(11~2月は~17:00)、レストランは10:00~18:00(11~2月は~17:00)
    定休日
    無休
    駐車場台数
    P85台
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    インスタ映え 3物語を締めくくる『紀ノ川』最後の舞台地図

    「和歌山城」の天守閣からは和歌山市が一望! 作中では、ここから花の孫の華子が紀ノ川の流れる景色を眺める様子が描かれています。夕日に染まる紀ノ川と風情ある町並みは言葉にできないほど美しいものです。

    住所
    和歌山市一番丁3
    電話番号
    073-435-1044(和歌山城整備企画課)
    営業時間
    天守閣9:00~17:30(最終入館17:00) ※公園内見学自由
    定休日
    12月29~31日休
    料金
    入場料=410円
    駐車場台数
    P58台

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